比較映画史研究-1910年代における反古典的映画形式の形成と展開-
Project/Area Number |
12J05594
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
芸術学・芸術史・芸術一般
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 佐和子 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 映画史 / 第一次世界大戦 / 無声映画 / ドイツ映画 / フランス映画 / ロシア映画 / イタリア映画 / 初期映画 |
Research Abstract |
本研究は、「比較映画史研究―1910年代における反古典的映画形式の形成と展開―」という研究課題のもと、各国の映画産業が整い、国際的な映画市場への進出という産業的な背景を持つなか、1910年代のヨーロッパおよび日本の映画史において、画一的であったプリミティヴな映画形式から脱皮し、各国が独自のナショナル・アイデンティティを伴う製品としての映画、もしくは特定の芸術潮流に関連付けられた映画を確立していく様相を明らかにした。初期映画が終焉を迎えてから、1910年代末に国際的にドミナントな古典的ハリウッド映画形式が席巻していくまでの、この10年間の映画形式をめぐる問題を、比較映画史学という独自の研究方法によって検討した。1910年代の無声映画移行期では、輸入された他国の映画形式から多大な影響を受けながらも、各国が国産の映画産業を充実させていき、映画形式も国別に細分化され、実に多様なナショナル映画形式が育まれていった。したがって、当時の主要な映画産業国であったフランス、ドイツ、ロシア、イタリア、デンマーク、そして日本の各々のナショナル映画形式を検証する必要があった。報告者は各国を代表するスタイリストと呼ばれる監督(Lブイヤード、M.マック、Eバウエル、Gパストローネ)を採り上げ、各国のナショナル映画の形式的特徴の分類と図式化を再検討することでより徹底化した。本研究の成果は、博士論文「1910年代の比較映画史研究―初期映画から古典的映画への移行期における映画形式の形成と展開―」の一部としてまとめられ、早稲田大学に受理された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)