北方針広混交林の持続的管理に向けた個体ベース森林動態モデルの開発と将来予測
Project/Area Number |
12J05861
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
森林科学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辰巳 晋一 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 階層ベイズ / 樹木更新 / 樹木成長 / ササ / 針広混交林 / 択伐 / 森林管理 / 個体ベースモデル / 階層ベイズモデル / 単木択伐 / 北海道 |
Research Abstract |
北海道の針広混交林では開拓以来、択伐施業が広く行われてきた。本研究では当該森林を持続的に管理していく方法を明らかにするために、樹木の動態パラメータの統計モデリングおよび森林動態シミュレーションを行った。東京大学北海演習林内の天然林施業試験地において、林床のササ密度の空間分布を計測した。このデータに加え、樹木個体のサイズや位置の情報を用いて階層ベイズモデルに基づく統計解析を行った。その結果、針葉樹の中径木がササに対して高い抑制効果を持つことが分かった。さらに、これらの木がササの抑制を介して樹木更新を間接的に促進していることが明らかになった。また、伐倒集材作業時に発生する樹木の支障に関する統計モデリングを行った。その結果、集材路や伐倒木の近くにいる残存木ほど支障する確率が高いことが定量的に示された。さらに、針葉樹の小径木は相対的に高い死亡率を持つことが分かった。これらの統計モデルを統合して森林動態シミュレータを構築し、択伐施業下の森林動態の将来予測を行った。その結果、現行の伐採方法(伐採頻度、伐採強度、伐採する樹種など)で伐採を続けた場合、徐々に林床のササ密度が増加し、針葉樹密度が減少してしまうと予測された。また、すでに針葉樹密度が減少してしまっている林分においては、現時点で伐採を止めたとしても、「針葉樹の減少」と「ササの拡大」の間の正のフィードバックによって、徐々に林分構造が変化していってしまうと予測された。現行の伐採方法よりも伐採頻度や針葉樹伐採率を減らし、広葉樹の小径木を積極的に除伐していくことで、このような林分構造の変化を回避し、針広混交林を持続的に管理していくことができると示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)