Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
作業者の身体負荷を正確に推定するため, 人がものに対してどのような操作力を発揮したか, という操作力情報を正しく抽出することが必要となる. 本研究では, 操作力データから操作特性を抽出するための波形解析手法と, 抽出した操作特性をわかりやすく表現する可視化手法をそれぞれ提案することを目的とした. 平成25年度は, ウェーブレット変換を用いた波形解析システムの構築と, 操作力特性を直感的にわかりやすくシステム上で表現する手法について検討した. 本年度では, はじめにプッシュスイッチの押し操作力に着目し, スイッチの高さと設置面の角度が変わった際の操作力を計測した. そして, ウェーブレット変換を用いて元の信号を複数の周波数帯域に分解し, 低周波数帯にある人の操作力成分を抽出することで波形の平滑化を行った, この手法の効果を検証するため, 本手法と従来の平滑化手法による違いを比較した結果, 本研究で提案したウェーブレット変換を用いたフィルタは, 操作力波形のピーク部分における減衰が従来手法より小さく, また操作時間の変化もなかった. このことから, 本手法は操作力波形のノイズ除去に適していることを示した. この成果は, 当初の計画通り学会誌に掲載された. また操作力情報の可視化手法として, 操作力ベクトルの頂点間を結んだ多角形を作図し, それを人体CADモデルと共に可視化する手法を提案した. 本年度は, 生データの他に, ウェーブレット変換により平滑化された波形を図示し, 結果のわかりやすさを比較した. その結果, 生データを提示したものに比べ, 平滑化後の図形のほうが, ノイズが軽減されたことで操作力の変化の様子がわかりやすくなることが示された. このことから, 波形の平滑化と可視化手法を組み合わせることで, 操作力情報の理解が促されることが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
操作力波形の解析手法の提案については, ウェーブレット変換を用いた平滑化手法とその解析プログラムの構築を行うことができた. また, 提案手法と従来手法の比較結果から, 提案手法の有用性を示すことができた. 可視化手法の提案については, 可視化のアルゴリズムと実際のシステムの提案について, 十分に成果を得ることができた. また本研究の成果として, 1件の学術論文掲載と3件の学会発表を行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で提案された操作力解析手法は, 人の身体負担や製品のユーザビリティを評価する上で広く利用することのできる知見である. そのため今後の応用として, 作業現場における工作機械使用時や介護場面など, 特定の場面に着目した評価が考えられる. それによって安全な作業行動の評価や, 身体負担の少ない介護作業環境設計の評価等を行える可能性がある. また操作力データの可視化手法については, 作業中の取扱い物のポリゴンと人の操作力データの干渉や, 複数のデータを表現した際の見やすさについて改良の余地がある. 今後は上記項目について検討し, さらに直感的に表現可能なシステムの検討を進める.
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