着生植物とアリの相利共生系が熱帯雨林の林冠生物群集に及ぼす波及効果の検証
Project/Area Number |
12J06726
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
森林科学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 洋 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 生態学 / 熱帯雨林 / アリ / 着生植物 |
Research Abstract |
本研究は、東南アジア熱帯雨林の林冠部において、群集レベルで果たすアリ-着生植物共生系の波及効果の解明を目的としている。今年度の研究実施計画では、マレーシア・ボルネオ島のランビル・ヒルズ国立公園にて野外調査をおこなうことにしていた。しかし、昨年度までに得られた野外調査のデータを解析した結果、着生シダ植物と共生するシダスミシリアゲアリが営巣する突出木と営巣しない突出木でアリの分布様式が異なり、シダスミシリアゲアリが突出木に生息する他種のアリの分布を制御することか明らかになった。そこで、野外請査をおこなわずに、昨年度までのデータを用いて解析した結果を論文にまとめ、Annals of the entomological society of Ameriaに投稿した。審査の結果、当該論文は受理され、公表された。 また、実施計画どおりに、シダスミシリアゲアリのシロアリへの影響を検証するために、ランビル。ヒルズ国立公園の突出木で長期的に観測してきたシダスミシリアゲアリとシロアリのコロニー分布データを解析した。その結果、シダスミシリアゲアリがシロアリの分布に影響を及ぼすことを見出し、論文化を進めている。 これらの成巣は、長期間の緻密なデータに基つくものであり、熱帯林生態系でアリがもつ重要な機能的役割を明らかにするうえで重要な研究となりうるだろう。 さらには、実施計画どおり、ランビル・ヒルズ国立公園の林冠木でこれまでに収集された全てのアリ標本の種同定を終わらせ、林冠木上でのアリ種コロニーの長期変動を明らかにする研究に着手した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)