Project/Area Number |
12J06736
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Environmental dynamic analysis
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大畑 祥 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2014: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ブラックカーボン / エアロゾル |
Outline of Annual Research Achievements |
大都市域は、人為起源の黒色炭素粒子(BC)の主要な発生源である。都市域で放出されたBCはその場の大気質に影響を及ぼすだけでなく、長距離輸送されることにより広域の気候にも影響を及ぼしうる。BCは大気中を輸送される過程でエイジング(ガス成分の凝縮や他のエアロゾルの凝集)を受け、その後の雲・降水過程によって大気から除去されるため、都市域におけるBCの降水除去過程の定量的理解はBCの気候影響を推定する上で重要である。 私は前年度までに、BCを含むエアロゾルの吸湿特性を測定する測定器の開発に加え、降水中に含まれるBCの粒径分布の測定法という、2つの新しい測定手法の確立に成功した。今年度はこれらの測定法を用い、都市域でのBCの降水除去過程を解明するため、東京において大気中・雨水中のBCの同時観測を世界で初めて行った。この同時観測により、粒径の大きなBCがより効率的に降水除去されるという整合的な結果を得た。さらにBCの被覆成分は光化学的に生成されるエアロゾルの化学成分と同一であること、BC発生源近傍である東京では吸湿成長率の低いBCの数が7割以上を占め、降水を伴う対流においても除去されず効率良く自由対流圏に鉛直輸送されることなどの新たな知見を得た。 本研究により、大気中・雨水中の個々のBCの特性を明らかにする世界最先端の測定法を開発し、大気・降水同時観測というBCの降水除去過程を解明する新しい観測手法を確立した。また、個々のBCの粒径や被覆状態のわずかな違いが、各BCの降水除去効率に強い影響を与えることを観測的に実証した。これは、BCの気候影響を推定するモデルにおいてBCの降水除去過程をより正確に再現するためには、BCの粒径や被覆状態の精緻な表現が必要不可欠であることを示すものである。本観測手法により得られるデータは、気候モデル内のBC湿性除去過程を総合的に検証する上で有用である。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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