Project/Area Number |
12J06776
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Structural/Functional materials
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
馬渕 雄一郎 東京工業大学, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2012 – 2015-03-31
|
Project Status |
Declined (Fiscal Year 2014)
|
Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2014: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 強誘電体 / 界面 / 薄膜 |
Research Abstract |
半導体、誘電体ナノデバイスは高度な接合界面の集合体であり、接合界面の電気特性の評価、理解はさらなるデバイス性能向上を実現するために非常に重要である。古典的には半導体/金属界面はショットキーモットモデルで解釈されてきた。欠陥や強誘電を利用し、ショットキー障壁高さを制御することでメモリデバイスに利用可能なI-Vヒステリシス現象が起きる事がわかっているが、その本質的な起源は明らかになっていない。そこで本研究では、欠陥・強誘電とI-Vヒステリシスの関係性を明らかにするために、Nb : SrTiO3(100)単結晶と高分子強誘電体VDF/TrFEにおけるI-Vヒステリシスの終端構造依存を調査した。実験の結果、Nb : STOの最表面をTiO2終端とした試料では、抵抗変化特性は示さなかったが、Sr0終端とした試料では大きな抵抗変化を示すことがわかった。アドミッタンススペクトロスコピーという、界面の電子状態を測定できる手法を用いて、高抵抗状態と低抵抗状態のSrO終端サンプルの電子状態を解析した結果、それぞれ166meVと55meVという異なるエネルギー準位を持つことがわかり、この準位の変化によって、ショットキー障壁の高さが変化している可能性が示唆された。この2つの値は価数が異なる酸素欠陥の準位と対応しており、酸素欠陥による電子の捕獲・放出が動作原理となっている事が明らかとなった。また、VDF/TrFEは非常に優れた絶縁体であるため、電流量を増やすために、超薄膜化が必要であった。従来方法ではVDF/TrFEを結晶化させるためには、120度以上での熱処理が必要だったが、熱処理する事で薄膜の表面の平滑性が失われ、特性の劣化を引き起こすことが問題となっていた。過去の我々の研究で、繰り返し電場を印加する事で、表面の平滑性を保ったまま結晶性を向上させる事ができることを明らかになっていた。この手法を用いることで10nm以下の超薄膜の作製に成功し、メモリ特性を評価したところ、I-Vヒステリシス特性を示す事が明らかとなった。新規メモリへの応用を見据えた研究内容となっているが、古典モデルではわからないような界面の微少領域の現象の解明という意味では、接合界面の基礎物性としても非常に興味深く、応用・基礎物性両面で貢献できる意義深い研究であると考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分子線エピタキシーなどの新しいスキルを習得したことで、SrTiO3単結晶における最表面構造と電子状態の相関性を電気的に明らかにする事ができた。また、これらの内容は5月に出席予定の学会で論文投稿予定であり、成果が着実に出ていると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で、材料の表面構造と電子状態の相関性はある程度明らかになった。しかしながら欠陥と強誘電の影響を定量的に評価するには至っていない。そこで現在は、透過型電子顕微鏡(TEM, STEM)を用いた表面構造の精密解析及び、第一原理計算(VASP)を中心に解析を進めている。これまでの結果と理論計算を組み合わせることで、材料の最表面構造と強誘電性・欠陥が金属との接合界面におけるショットキーにどのように影響を与えているのか、定量的に評価することを目標としている。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)