リグニン分解能を付与したルーメン液による草本系バイオマスのメタン発酵前処理
Project/Area Number |
12J06836
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied microbiology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
馬場 保徳 東北大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ルーメン液 / メタン発酵 / リグニン / セルロース / バイオマス / 前処理 / セルラーゼ / 嫌気性消化 |
Research Abstract |
草本バイオマスは、再生可能なエネルギー資源として重要であるが、植物細胞壁の分解効率の低さが問題である。本研究では、草本バイオマスのモデルとして、ナタネの茎を使用し、と畜場廃棄物であるルーメン(牛の第一胃)液で前処理することで、メタン収率向上を試みた。 当初、リグノセルロース分解能の高い有用微生物を添加した人工的なルーメン液(artificial rumen fluid)の作成を試みたが、天然のルーメン液の詳細な酵素活性を検証した結果、 1 ルーメン処理を6時間にとどめた時、セルラーゼ活性(エンドグルカナーゼ、エキソグルカナーゼ)が顕著に高く、その後のメタン発酵のセルラーゼ(βグルコシダーゼ)も活性化することを見いだした。 2 その結果、メタン発酵中のセルロース加水分解期間は短縮された。 3 ルーメン処理で活性化した酵素の一部は、メタン発酵過程へも持ち越し可能であることを見いだした。 この条件で前処理した結果、メタン収量は1.6倍向上した。 また、本研究と関連する実規模メタン発酵槽の実証試験についても論文をまとめた(Bioresource Technology 140, 342-348, 2013)。得られた実測値に基づき、本研究のエネルギー収支を試算し、原料運搬距離や年間原料処理量を明らかにし、充分に実用化可能であることを確認した。ルーメン液を利用した新規メタン発酵前処理法は、これまで実用化できなかった植物バイオマスの発酵利用を進展させる技術となりうる。以上の成果は、生物工学若手研究者の集い夏のセミナー2013(日本生物工学会)の優秀ポスター賞、第6回廃棄物資源循環学会東北支部研究発表会の最優秀発表賞を受賞し、さらに農学研究科からただ1名が選ばれて、東北大学総長賞を受けた。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(19 results)