Project/Area Number |
12J06912
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied optics/Quantum optical engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久世 直也 東京大学, 物性研究所, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 光周波数コム / デュアルコム分光 / 位相同期 / ドップラーフリー分光 / 飽和吸収分光 / 広帯域 / 精密分光 |
Research Abstract |
本研究の大きな目的はデュアルコム分光により、広帯域、高分解能な分光を実現することである。その目的達成のために本研究で掲げた研究実施計画は、(1)従来の複雑なデュアルコム分光に変わる、簡便なデュアルコム分光のシステムを構築することと、(2)そのシステムによるデュアルコム分光による広帯域精密分光の実現である。以下にそれぞれの進展状況について示す。 (1)従来のデュアルコム分光システムでは2台の光周波数コムを高精度に位相同期するために、光原子時計に使われるような非常に複雑で、高価なCWレーザーを必要するためデュアルコム分光の研究を敷居の高いものにしていた。本研究ではその問題を解決する方法として、市販の簡易なCWレーザーでも2台の光周波数コムを高精度に位相同期する方法を提案し、実際にデュアルコム分光を行えることを示した。これによりデュアルコム分光の研究の敷居が下がり、世界各国で普及していくことが期待される。 (2)(1)の研究でデュアルコム分光を行うことが可能になったので、次に実際に分光応用の研究を行った。本研究が注目した分光法は飽和吸収分光と呼ばれる精密分光である。一般に、常温では原子、分子の吸収スペクトルはドップラー効果によりGHz程度に広がるが、飽和吸収分光は常温においても原子、分子の自然幅(MHz)に近い分光を可能にする。従来、飽和吸収分光はCWレーザーを用いて行われていたが、CWレーザーの波長掃引範囲はGHz程度と非常に狭く、一度の測定で捉えられるスペクトル範囲は非常に小さい。その問題をデュアルコム分光は解決できることを提案し、初期的な実証実験を行った。現状では実験上の問題により測定できるスペクトル帯域は限定されているが、今後の改良により測定帯域は10THz程度は実現できると考えられる。このようなCWレーザーでは不可能なような広帯域、精密分光はデュアルコム分光の特徴を最大限活かしたものであり、混合気体の広帯域精密分光を可能とし、大気分析や、呼気分析といった、より実用的な応用面にも広がりを見せると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初、1年目は新しい位相同期の方法の実現を計画していたが、実際にはさらに分光応用まで進めているから。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、分光の応用まで一応できているが、実験上の問題により、原理的に考えられる測定帯域は実現できていない。 今後、考えられる実験上の問題を解決し、本研究をさらにインパクトのある研究に仕上げていきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)