水の新規水素結合ネットワークの探索と物性:炭素ナノ構造を用いた研究
Project/Area Number |
12J06991
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
生物物理・化学物理
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
客野 遥 首都大学東京, 大学院理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ナノ炭素 / 水 / 液体-液体転移 / ガラス転移 / カーボンナノチューブ / 液液転移 |
Research Abstract |
(1) ZTC内包水の物性 ZTC内包水の構造、ダイナミクス、比熱などについて、前年度までに得られた結果をまとめて論文発表を行った。(2013年5月、Chem. Phys. Lett.誌に掲載) (2) SWCNT内包水の物性 前年度に引き続き、比較的直径が太いSWCNT(直径Dが1.68nmから2.4nmまで)に内包された水について、その構造、ダイナミクス、相挙動を更に詳細に調べた。 まず粉末X線回折実験において、内包水の構造は室温近傍では高密度な液体的であり、低温では低密度な液体(またはアモルファス)的であることが示唆された。これは、バルクの過冷却水において予測されている「液体-液体転移(LLT)」ではないかと考えられる。観測された内包水のLLT転移温度T_<LLT>は、SWCNT直径が太いほど高くなり、D=2.4nmの時に約220Kであった。またT_<LLT>は、先行研究(H. Kyakuno et al. JCP 2011)で提案されていた「wet-dry転移(WDT)」(D>1.68nmのSWCNTにおいて、低温下で一部の水分子がSWCNT内部から外部へと排出される現象)の転移温度T_<LLT>とほぼ一致した。これまでWDTの機構は未解明であったが、本研究によりLLTがWDTを引き起すdriving forceである可能性が示された。 一方、NMR測定からは内包水分子の回転運動の相関時間の温度依存性を明らかにし、LLTが一次転移であることを示唆する結果を得た。また、冷却・加熱ステージ付の光学顕微鏡を用い、WDTの直接観察に成功した。これらの研究成果は、バルク水の未解明物性の解明に貢献すると期待される重要なものであり、現在、論文の投稿準備中である。 さらに、共同研究者と協力してSWCNT内包水の比熱測定法を考案し、SWCNT内包水の液体-固体転移の比熱測定に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に沿って研究が行われたが、予期しない進展もあった。特に、比較的太い単層カーボンナノチューブ(SWCNT)に内包された水の研究において著しい成果が得られた。これまで、太いSWCNTにおいては、内包された水が低温でSWCNTの外部に排出されるwet-dry転移を生じることを提案していたが、本研究において、顕微鏡によるその直接観測にはじめて成功した。また、X線回折実験、分子動力学計算、NMR実験などのデータを詳細に検討・解析した結果、wet-dry転移の起源についての有力なメカニズムに到達しえた。さらに、共同研究者と協力してSWCNT試料の比熱の測定法を考案し、SWCNT内部の水の液体-固体転移の比熱測定に世界で初めて成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)