強磁性体と接合したトポロジカル絶縁体のスピン電子構造の解明
Project/Area Number |
12J07179
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)(実験)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
黒田 健太 広島大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | トポロジカル絶縁体 / ビスマスセレナイド / 時間反転対称性 / スピン分解光電子分光 / ディラック電子 / 偏光依存 / グラフェン / 光電子分光 |
Research Abstract |
昨年度、スピン角度分解光電子分光を用いてトポロジカル絶縁体におけるディラック表面電子状態の磁場に依存した(時間反転対称性の破れた)スピン電子構造を解明するために、高効率スピン偏極検出器を用いた放射光スピン角度分解光電子分光装置の開発を広島大学放射光科学研究センターで行った。そこで本年度では、開発したその装置を用いてトポロジカル絶縁体ビスマスセレナイドにおける時間反転対称性の破れたデラック表面電子状態のスピン電子構造の完全決定を行った。まず、円偏光の励起光を試料に照射する事で時間反転対称性の破れたスピン偏極度に注目した。この場合、円偏光のヘリシティを外部磁場とみなす事ができる。また、放射光の最大の利点であるエネルギー可変性を十二分に活用する事により、光電効果における終状態効果まで詳細に測定を行った。 直線偏光を用いた測定では、ディラック電子状態から放出された光電子のスピン偏極度は時間反転対称性を持った始状態のスピン電子構造を大きく反映する事がわかった。それに対して、円偏光を用いた場合、観測されるスピン偏極度は明らかに時間反転対称性を破っており、直線偏光の結果と大きく異なる。この偏光依存性は光電子のスピン偏極度が円偏光のヘリシティにより励起された事に起因している。また、この円偏光依存性は励起光のエネルギーに強く依存する事がわかった。 これらの結果から、円偏光照射により表面にスピン偏極した光電流を創出できる事、さらに選択的にその電子スピンを励起できる事を示している。これらの点で本研究は、光により、電流、スピンを同時に制御したオプトスピントロニクスの実現に向けて重要な知見を与える。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Experimental verification of the surface termination in the topological insulator T1BiSe_2 using core-level photoelectron spectroscopy and scanning tunneling microscopy2013
Author(s)
Kenta Kuroda, Mao Ye, Eike F. Schwier, Munisa Nurmamat, Kaito Shirai, Masashi Nakatake, Shigenori Ueda, Koji Miyamoto, Taichi Okuda, Hirofumi Namatame, Masaki Taniguc hi, Yoshifumi Ueda, and Akio Kimura
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Journal Title
Physical Review B
Volume: 88
Issue: 24
Pages: 245308-245315
DOI
Related Report
Peer Reviewed
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[Journal Article] Experimental Evidence of Hidden Topological Surface States in PbBi_4Te_72013
Author(s)
Taichi Okuda, Takamasa Maegawa, Mao Ye, Kaito Shirai, Takuya Waras hina, Koji Miyamoto, Kenta Kuroda, Masashi Arita, Ziya S. Aliev, Imam addin R. Amiraslanov, Mahammad B. Babanly, Evgueni V. Chulkov, Sergey V. Eremeev, Akio Kimura, Hirofumi Namatame, and Masaki Taniguchi
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Journal Title
Physical Review Letters
Volume: 111
Issue: 20
Pages: 206803-206808
DOI
Related Report
Peer Reviewed
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[Presentation] 非層状物質三元トポロジカル絶縁体TIBiSe_2の壁開最表面の決定2013
Author(s)
黒田健太, 叶茂, M. Nurmamat, 白井開渡, 岡本和晃, 仲武昌史, 上田茂典, 宮本幸治, 奥田太一, 生天目博文, 谷口雅樹, 植田義文, 木村昭夫
Organizer
日本物理学会2013年秋季大会
Place of Presentation
徳島大学
Year and Date
2013-09-28
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