Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
ヒトと同様に視覚優位な鳥類であるハトに視覚探索課題を適用し, 視覚的注意におけるカテゴリ化の効果について, 人の顔の合成画からなる人工カテゴリを用いて検討した。訓練では, 全てのカテゴリ事例で共通する顔画像(共通成分)と, 事例ごとに異なる顔画像(事例特異的成分)を50%ずつもつ合成画を, カテゴリ事例として用いた。カテゴリ作成に使用しなかった顔画像を, 非カテゴリ事例として用いた。昨年度の研究では, 非カテゴリ事例(妨害刺激)の中からカテゴリ事例(標的刺激)を探すカテゴリ探索をハトに行った。テストでは, 新奇な事例特異的成分をもつ新しいカテゴリ事例や, 共通成分合成率を0%~100%の数段階に変化した新しいカテゴリ事例を標的刺激として呈示した結果, カテゴリ事例の共通成分に由来する特性(共通成分特性)が注意を誘導することによって効率的なカテゴリ事例の探索を行うことが明らかになった。今年度の研究では, 実験経験のないハトを用いて, カテゴリ探索の標的刺激と妨害刺激を逆転させた, 非カテゴリ探索を行った。非カテゴリ探索において, ハトが妨害刺激であるカテゴリ事例を学習し, 共通成分特性をもたない標的刺激を探索する方略をとるならば, カテゴリ探索を行うハトよりも, 探索の効率が低減すると予測されたが, 逆の非対称性が確認された。また, 非カテゴリ探索では, 妨害刺激の共通成分合成率が探索に影響しないことなどから, ハトは非カテゴリ探索において, 妨害刺激のカテゴリを学習していないことが示された。これらの結果から, カテゴリ妨害刺激間の試行間類似性が極めて効率的な探索を促進すること(妨害刺激による文脈効果)が明らかになった。今年度の研究成果を英語論文としてとりまとめ, 海外の学術誌(Vision Research)に原著論文(題目 : Efficient visual search for multiple targets among categorical distractors : Effects of distractor-distractor similarity across trials)として掲載した(2014, 96, 96-105)。また, 研究成果を博士学位論文(題目 : 人工カテゴリを用いた視覚探索に関する比較認知研究)としてとりまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
成果を英語論文としてとりまとめ, 海外の学術誌(Vision Research)に原著論文(題目 : Efficient visual search for multiple targets among categorical distractors : Effects of distractor-distractor similarity across trials)として掲載することができたため。また, 研究成果を博士学位論文(題目 : 人工カテゴリを用いた視覚探索に関する比較認知研究)としてとりまとめ, 学位(学術)を取得することができたため。また, 学業成績優秀につき, 平成25年度千葉大学大学院融合科学研究科研究科長賞を獲得することができたため。
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