Project/Area Number |
12J07261
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied health science
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
生方 志浦 神戸大学, 大学院保健学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2012: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 外傷性脳損傷 / 高次脳機能障害 / びまん性軸索損傷 / 白質 / 社会生活 / 脳梁 / ネットワーク / 認知の処理速度 / 社会的認知 / 社会機能 / 前頭葉 |
Research Abstract |
【目的】脳損傷後には多彩な認知機機能障害、行動障害を来し、社会生活が困難となる。閉鎖性の外傷性脳損傷で生じる損傷として、前頭葉を中心とした局在脳損傷と、広範囲な神経軸索の損傷を来すびまん性軸索損傷に大別される。局在脳損傷と比較して、びまん性軸索損傷では点状出血や脳萎縮といった慶昧な触画像所見しか得られないことが多く、詳細な損傷部位や、損傷と症状の関連について明らかでない。本研究では、びまん性軸索損傷における脳構造変化および認知機能障害との関連について調査した。【方法】男性、右利きのびまん性軸索損傷患者10名、年齢性別を合わせた健常者12名を対象とした。息者群の認知機能障害を、WAIS-IIIを用いて調べた。両群に対し、3テスラMRIによりTIMPRAGE画像およひDTI画像を撮像した。SPM8のVBM8、FSLを用い、灰白質・白質の体積低下および白質繊維の拡散具方性について患者群と健常群を検討した。さらに患者群内で・脳構造具常と認知機能の関連についても調べた。【結果】認知標能検査において、WAIS-IIIの結果では、全般的IQの低下が認められた。特に認知の処理速度の項目で2SDを超える著明な低下を示した。脳構造の形態変化に関しては、息者群は健常群と比較して、灰白質では皮質化中心構造の広範囲で、白質では脳梁で強い体積低下を示した。脳梁の体積と認知の処理速度の課題成績に有意な正の相関が認められた。脳梁と解剖学的に神経結合のある頭頂葉を結ぶ線維の自質具方性は患者でほぼ低下しており、さらに、患者騨内で認知の処麹遠度の課題成績と関連が認められた。頭頂業あ灰白質領域の体積は健常群との差は小さかった。【考察及び意義・重要惟】脳梁との関連が示唆された認知の処理速度については、灰白質の障害ではなく、左上・下頭頂小葉と脳梁を連絡している白質線維の障害が関与している可能性が示唆された。脳損傷患者の後遺症は、本邦ではその支援体制の遅れから、漠然と「社会生活の困難さ」として捉えられ、十分な治療を受けられないでいることが問題としぞ挙げられる。本研究は脳構造の変化という、客観的指標を用いて脳損傷患者の病態を把握するものであり、問題の核と残存機能の樋別を可能にするとともに、有効な治療介・リハビリテーションの遵入に寄与する。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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