Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
非小細胞肺癌(NSCLC)細胞と間質細胞との解析から見出されたチロシンキナーゼ受容体Axlの活性化と癌の進行について解析を進めている. NSCLC症例について, 昨年度は活性化Axlの染色を行ったが, 本年度は不活性型Axlの発現について検討した. 肺腺癌患者の臨床検体52例を用いてリン酸化(活性型)Axlと不活性型Axlの患者の臨床予後他にどのような影響があるのかを検討した. 本研究では, Axlの細胞外ドメインを認識する抗体を用いて検討を行った. その結果, 興味深いことに一部のNSCLC患者において, Axlの細胞外ドメインの有無に関わらず, Axlが活性化しているという症例が認められた. 細胞外ドメインが存在したままAxlが活性化する症例では, これまでのチロシンキナーゼ受容体と同様に, リガンドにより活性化が誘導されたと考えられる. しかしながら, 細胞外ドメインが存在しないにもかかわらずAxlが活性化している症例では, 2つの可能性が考えられた. すなわち, リガンドGas6による活性化と同時に, Axlの細胞外ドメインが切断されるという可能性, またはGas6以外の何らかの条件において, Axlの活性化と切断が同時に引き起こされた可能性が考えられた. これらの可能性について, 肺腺癌培養細胞を用いて検討を行った. 前者に関しては, 充分な検討は行えていないが, Gas6によるAxlの活性化, およびその後の切断誘導の可能性が認められている. 後者に関して, 過去の文献を検索した結果, 酸化ストレスによる効果の可能性が認められた. 文献に基づいて, 酸化ストレスによる効果について検討した結果, 酸化ストレスはAxlの活性化と切断が同時に誘導する可能性が認められた. この活性化はSrcを介していることが示唆された. また, Axl細胞外ドメインの切断は内因性メタロプロテアーゼ阻害因子TIMPsの発現減少によるものである結果が得られた. 本研究結果から, AxlはリガンドGas6により活性化と切断, あるいは酸化ストレスによるAxlの活性化と切断の可能性が認められた.
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