統語‐意味インターフェイスから見た省略と文断片の研究
Project/Area Number |
12J07273
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
English linguistics
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永次 健人 九州大学, 大学院人文科学研究院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2012: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 統語論 / 統語―意味インターフェイス / 三部門並列モデル / 省略 / 文断片 / 格現象 / 否定対極表現 / 意味-統語インターフェイス / 補文選択 / 再帰形 |
Research Abstract |
本研究は、生成文法における最重要課題である自然言語の普遍的特性とその変異可能性の解明のため、形式と解釈のずれが生じる省略現象の分析を通して、統語―意味インターフェイスの特性を明らかにすることを目標としている。特に、省略現象の中でも、解明されていない部分が多い「文断片」の文法的特性を、英語を中心とした通言語的調査から研究し、現行のモデルを検証する試金石とする。具体的には、通言語的な事実の検討を通して、従来の分析である削除分析の問題点を明らかにするとともに、R. Jackendoffの三部門並列モデルに基づく「直接生成分析」の立場から分析を行った。これにより、文とは異なる文断片の特性を明らかにし、文と文断片の文法現象を統一的に説明する文法理論の構築の一助になると考えられる。 本年度は、格についての通言語的な研究成果をまとめ、文断片の格認可の普遍的な仕組みの解明を試みた。また、NPIの文断片の研究を通して、文断片における否定解釈がCovertな統語構造を必要としないこと、また、(いわゆる)NPIの認可が統語―意味インターフェイスのプロセスとしてなされうることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、これまで取り組んできた研究テーマである「文断片研究」をさらに発展させ、通言語的に様々な現象の分析を通して、主張と分析の妥当性を証明したといえる。特に、トルコ語、日本語において「削除分析」では説明できず、「直接生成分析」の必要性を見事に示した。その成果は、海外(韓国)での国際学会と日本言語学会で公表し、論文も公刊した。さらに他の成果も新年度の日本英語学会国際春季フォーラムでも発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の進め方として、二つの方向性が考えられる。ひとつは、文断片における研究成果をその他の削除現象に拡張することである。特に、VP削除、Sluicing、Gappingなど削除分析の立場からの研究の蓄積のある現象に本研究が応用できることを示すことは重要である。もう一つは、三部門並列モデルの立場から、各文法現象の詳細分析を進めることである。特に、これまで、文断片の研究で言及してきた格、再帰形、補文選択、否定対極表現といった文法現象の一般的な特性を分析することで、本科研の成果を発展させることができると期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)