Project/Area Number |
12J07390
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical properties of metals
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
白幡 泰浩 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | スピン依存電子伝導 / スピンフィルター効果 / Oblique Hanle効果 / 垂直磁気異方性 / 電気的スピン注入 / 円偏光発光解析 |
Research Abstract |
平成24年度の後半より開始した垂直磁気異方性を持つ強磁性体とGaAs界面におけるスピンフィルター効果の研究を行った。具体的には、GaAs基板上に強磁性体のNiと非磁性体のCuで構成されるCu/Ni多層膜に着目し、垂直磁化強磁性薄膜/半導体ヘテロ界面における残留磁化状態でのスピンフィルター効果を調査することを目的とした。第1段階として、GaAs基板上にCu/Niの積層回数やCu/Niの膜厚比を適宜変化させた多層膜を作製し、主に磁気特性について評価を行った。第2段階として、第1段階で得られた結果を元に、Cu/Ni多層膜/n-GaAs(001)ヘテロ構造を作製し、円偏光スピン励起法によるスピンフィルター効果の検証を行った。しかし、Cu/Ni多層膜の膜厚は合計で60nmとこれまでの報告例に比べ非常に厚いため、電気的スピン検出の研究が困難であることから、本研究では、試料に微細加工を施してこの困難を回避した。その結果、室温かつ残留磁化状態において、界面バイアス電圧0.41Vにて円偏光依存光電流に特徴的なピーク構造が観察されたことから、正バイアスにおける垂直磁化膜のスピンフィルター効果が顕著となることが明らかとなった。さらに、界面バイアス電圧0.13Vにおける円偏光依存光電流の磁場依存性において、Cu/Niの垂直磁気異方性に起因した角型ヒステリシスループを観測することに成功している。 一方で、Cu/Ni多層膜/GaAs QW ヘテロ構造における電気的スピン注入においては、印加磁場に依存したスピン注入効率を得るには至らなかった。これは、今回測定された円偏光発光は、注入された電子と正孔による再結合発光よりもZeeman効果が支配的であったためであると考えられる。 さらに、磁気光学Kerr効果を用いた磁性超薄膜/GaAs ヘテロ構造の円偏光照射下における磁気特性およびスピン相関については、照射した円偏光度に依存したKerrシグナルを得ることに成功したものの、スピン相関を明確化するには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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