マルテンサイト変態の低温異常の解明と超弾性合金の低温応用
Project/Area Number |
12J07777
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical properties of metals
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
新津 甲大 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 形状記憶合金 / 極低温 / ストレイングラス / ニチノール / 超弾性 / カイネティックアレスト / メタ磁性 |
Research Abstract |
マルテンサイト変態に関連する低温異常現象の中で、Ti-Ni合金におけるストレイン・グラス(SG)現象およびNi基メタ磁性形状記憶合金におけるカイネティックアレスト現象の起源の解明とマルテンサイト変態への影響を明らかにするため、それぞれTi-51.8Ni合金およびNi-5Co-36Mn-14In合金(at.%)を用い、低温域におけるマルテンサイト変態挙動とその温度依存性について調査した。その結果、TiNiにおいては、SG状態からでも超弾性が発現すること、また正・逆変態の誘起応力ヒステリシスがSG状態において異常に大きくなることを突き止めた。さらにこの応力ヒステリシスの異常な増加傾向を利用することで、一定応力下の加熱過程において、平衡論的にはありえないはずの、母相からマルテンサイト相への変態が可能であることを確認した。一方NiCoMnInについては42Kの極低温でも超弾性が発現可能であることを明らかにするとともに、母相-マルテンサイト相界面の動力学に関する低温での異常な挙動が、外場の種類に寄らず普遍的に起こり得る現象であることを突き止めた。両合金を対象とした研究結果は、極低温における変態応力ヒステリシスの増大が低温異常現象と関連しているということを示唆しており、その学術的意義は大きい。 また、低温異常が報告されておらず室温で良好な超弾性特性、組織制御性を有するCuAlMn基形状記憶合金を用いた調査では、4.2Kにおいても良好な超弾性特性が得られることを確認し、極低温での応用可能性を見出すことに成功した。本研究成果は、超伝導周辺技術や宇宙工学、低温冷媒のシール材などへの超弾性合金の応用を提案するものであり、その工学上の意義は非常に大きい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた3つの合金に対し、低温でのマルテンサイト変態挙動を調査し終えた。また得られた変態挙動に対して、平衡熱力学、動力学の両面から考察を行うことで関連する異常現象とマルテンサイト変態の関連性を考察した。これらの成果は、Applied Physics Lettersをはじめとする学術誌に複数投稿している。加えて、TEM観察による組織評価や相平衡に関するデータも得ることができ、基礎学理の深化に貢献した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで報告されている低温異常現象とマルテンサイト変態の関連性について理解を深めることに成功したが、異常現象の起源や普遍性についてはまだ十分な検討ができていない。これらを検討するためには、マルテンサイト変態に限らず、一次の変態について動力学的見地に立った系統的な調査が今後は必要である。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)