染色体転座モデルマウスを用いた原がん遺伝子EVI1活性化と白血病発症の分子機構
Project/Area Number |
12J08044
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
腫瘍生物学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山嵜 博未 弘前大学, 大学院医学研究科, 助教
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 白血病 / 染色体転座 / エンハンサー / EVI1 / GATA2 / 大腸菌人工染色体 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
急性骨髄性白血病と骨髄異形成症候群の一部に3番染色体長腕21 (3q21)領域と3番染色体長腕26 (3q26)領域との間の転座および逆位を伴う3q21q26症候群がある。3q21q26症候群の白血病細胞では、3q26領域に存在するEVI遺伝子が高発現しており、これが白血病発症の原因となっている。本研究では、3q21領域に位置し、EVI1遺伝子を活性化するエンハンサーの同定を試みた。まず、二つの大腸菌人工染色体を連結する手法を用いて、ヒトの逆位3q21q26遺伝子座を再現し、この構築を有する3q21q26トランスジェニックマウスを作製した。このマウスでは造血幹細胞および前駆細胞にEVI1遺伝子の高発現がみられ、マウスは24週齢以降に白血病を発症した。一方、3q21q26構築から3q21領域に位置するGATA2遺伝子のエンハンサーを欠失したマウスを作製したところ、同マウスでは造血幹細胞および前駆細胞におけるEVI1遺伝子の発現が有意に減少し、白血病発症が抑制された。これらの結果より、転座および逆位によってEVI1遣伝子に近接化したGATA2遺伝子のエンハンサーが、EVI1遺伝子の転写を活性化することで白血病発症を誘導することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
逆位を再現したBACよりGATA2遺伝子のエンハンサーを欠失したマウスの作製・解析が順調に進み、同エンハンサーのEVI1遺伝子活性化における意義を個体レベルで明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
3q21q26遺伝子座においてGATA2遺伝子エンハンサーの活性化に関わる転写因子を明らかにする目的で、(1)3q21q26マウスと候補転写因子欠失マウスの交配による複合変異マウスの作製、(2)3q21q26構築の転写因子結合配列に変異を導入したトランスジェニックマウスの作製を行い、EVI1遺伝子の発現量および白血病発症に与える影響について調べる。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)