Project/Area Number |
12J08259
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
数理物理・物性基礎(理論)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
勝田 仁之 東京工業大学, 大学院・理工学研究科(理学系), 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 非断熱過程 / 量子アニーリング / 最適化問題 |
Research Abstract |
最適化問題を量子系の基底状態探索として解くアルゴリズムである量子アニーリングに、非断熱過程を応用する理論的研究を行った。 1次元横磁場イジング模型に対して、非断熱量子アニーリングに必要な測定回数・計算時間をFermion分解とLandau-Zener公式の手法を組み合わせることで解析的に求めることに成功した。本年度の研究計画はすべて達成できたと言える。 研究の結果として、1次元横磁場イジング模型の非断熱量子アニーリングに必要な時間は系の大きさ(自由度)の2乗に比例することが分かり、断熱環境を用意したときと定性的に同様なタイムスケールで成功することが分かった。断熱環境に限定せずにアニーリングを行えることは、実際の実験環境やシミュレーションにとって大きな利点となる。 一方で、解析結果の信頼性を客観的に高めるために、数値計算による検証も行った。アニーリング時間や系の大きさを様々な値に変えながら、それぞれの場合についてシュレディンガー方程式を直接解くことで評価した。その結果、解析結果の「非断熱量子アニーリングに必要な時間は系の大きさ(自由度)の2乗に比例する」という結論を、完全に支持する結果となった。 これまで断熱環境に限定されていた量子アニーリングを非断熱過程へと拡張し、非断熱量子アニーリングの舵切りとなる研究である。加えて、解析的な結果を具体的な関数形で得たことにより、今後解析的に非可解な(現実の問題でよく用いられる)模型の数値計算の足がかりともなる研究である。 成果報告として、2012年9月にはオーストリアでの国際会議QISM2012で発表を行った。現在、そこでの議論を含めた結果を加えた論文をまとめて、査読つきの論文誌へ投稿中である。Preprintがhttp://arxiv.org/abs/1303.6045で閲読可能である。
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Report
(1 results)
Research Products
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