Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
本年度は主にウェイクアップモジュールフロントエンドに関する研究と, ウェイクアップ無線通信におけるソフトウェア無線技術の応用に関する研究を中心に行った. ウェイクアップモジュールフロントエンドに関する研究として, サブサンプリング技術をウェイクアップ無線通信に応用する手法を検討した. サブサンプリング技術を用いたウェイクアップモジュールフロントエンドでは, 低消費電力性と誤検出の抑止を両立するためにサンプリング周波数を適切に決定することが重要となる. 低消費電力性はサンプリング周波数を低くすることで得られる. 一方で, 誤検出の主な原因となる雑音はサンプリング周波数を高くすることで低減できる. このため, 検出したい信号の帯域幅と, 受信信号のSNRから折り返し数の限界を決定し, 最低のサンプリング周波数を決定する. 実際の通信では, 1. 観測信号のSNRの最悪値を想定してシステムの受信感度を定め, サンプリング周波数を決定する, 2. 誤ウェイクアップ率を観測しながら動的にサンプリング周波数を調整する, という2つの手法のいずれかを用いることで対応できる. ウェイクアップ無線通信におけるソフトウェア無線技術の応用に関して検討を行った. ソフトウェア無線技術を用いてウェイクアップ無線を実現するためには, 省リソースでソフトウェア無線を実現することが重要となる. これに向け, 組み込み機器向けマイコンを用いた超小型ソフトウェア無線プラットフォームのハードウェア設計を行った. その上で, ウェイクアップ無線において最も重要となる信号検出を実現するため, マイコンに搭戟された分解能の低いADCをデルタシグマ変調方式を応用して高精度化する手法を検討した. ウェイクアップ通信では専用ハードウェアを用いることが想定されてきたが, 汎用ハードウェアを使用しても実現可能であることを示した点で意義があると言える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的は, ウェイクアップ型無線通信を無線センサネットワークに適用するためのネットワーク基盤技術を開発し, これを用いて実現される「ウェイクアップ型無線センサネットワーク」の性能を明らかにすることである。本年度はウェイクアップモジュールフロントエンドに関する検討と, ソフトウェア無線技術を用いてウェイクアップ無線を実現する手法について検討を行った. 当初の計画とはやや異なるが, これは議論の結果としてハードウェアの汎用化が重要であると判断したための変更であり, 概ね順調に進展していると言える。
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