分子デバイス複合化を可能にするπ共役連結ユニットの開発
Project/Area Number |
12J08731
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic industrial materials
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
井内 俊文 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012 – 2014-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | イミダゾール / TICT / π共役 / ビルディングユニット / 複素環式化合物 / 分子内水素結合 |
Research Abstract |
本研究は分子デバイス複合化の実現を目指した屈曲性の有るπ共役ビルディングユニットの提案を行うものである. 昨年度まで, イミダゾール基を用いた直交交差共役系分子を合成し, その光学特性について検討してきた, 結果, このような交差型分子は分子内電荷移動(ICT)状態の形成を促進することが判った. また, このICT状態は分子内のねじれを伴ったTICT (Twisted ICT)状態となっていることを帰属した. 以上の結果は光誘起による分子構造のスイッチとしては機能するものの, 分子デバイス複合化を企図したビルディングユニットとしては励起状態での分子構造変化は望ましくない. その為, 励起状態でのねじれを伴わないような直交交差共役系分子について検討を試みた. 戦略として, ねじれが起こるimidazole基とthiophen環部位に着目し, 分子骨格の剛直性の向上によるTICT状態の阻害を検討した. 結果としてキノイド構造をとり易いthienothiopheneを導入した直交交差型共役系分子では, 他の直交交差型共役系分子が示すTICT発光とは異なる挙動を示した. この結果は分子骨格がICT状態での最安定な立体構造に影響を与えていることを示唆している. 以上の結果をまとめ, 現在論文を投稿中である. また, 分子骨格によるICT発光への影響について直線共役系分子についても検討した. 結果としてthienothiopheneを導入した直線共役系分子ではICT状態とみられる発光を示し, 更に電子供与性基のmethoxy基を置換することで, 顕著なICT発光を示した. この発光はLE発光よりもその発光量子収率が向上しており, k_<nr>が低減していることから非ねじれ型のICT状態をとっていると推察される. 加えて, thienothiopheneにOH基を導入した直線共役系分子を合成し, 酸塩基応答性の非ねじれ型のICT発光を実現した. この結果にっいても現在論文投稿準備中である. 以上の成果は励起状態でも構造を保ったビルディングユニットとしての用途が期待でき, 本研究課題において最適とされる分子構造の設計指針を得たといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)