Project/Area Number |
12J08958
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
International law
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 佐代子 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 緊急避難 |
Research Abstract |
緊急避難は、国家責任条文(国連総会決議56/83付属文書)第25条に国際法上の違法性阻却事由の一つとして規定されており、同条が示す緊急避難の定式は慣習法規則を反映するものとして広く受け入れられている。しかしながら、そこに規定された諸要件をどのように解釈適用するかについては議論の余地が多分に残されており、具体的な判断基準は明確になっていない。その背景には、これまで国際法上の緊急避難の機能についての検討が要件論と十分に結びついた形でなされてこなかったという問題があると考えられる。 こうした問題意識に基づき、今年度は、20世紀前半における緊急状態法理の機能について研究を行った。裁判実行としては、主にロシア賠償事件(常設仲裁裁判所、1912年)とベルギー商事会社事件(常設国際司法裁判所、1939年)に焦点を当て、当時の緊急状態法理の機能を検討した。それをふまえて学説上の理解を整理し、20世紀前半の国際法秩序のあり方と緊急状態法理の機能との関連を分析した。その結果、国際法の実効性を維持するために緊急状態における国家の自己保存の要請に配慮することが必要と考えられていたことが明らかになった。 なお、1990年代末以降のアルゼンチン経済危機に関連して緊急避難について検討する投資仲裁判断が近年相次いで示されていることを一つの契機として、昨今、緊急避難に関する研究は活性化している。そのため、本研究を遂行する上では、最新の研究動向をフォローし評価することも不可欠である。その一つの試みとして、今年度は、Sarah Cassella, La necessite en droit international : De l'etat de necessite aux situations de necessite(Martinus Nijhoff Publishers, 2011)の書評を執筆し、『国家学会雑誌』126巻1・2号「学界展望」欄にて公表した。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)