クヌギカメムシ類における共生細菌叢と特異的な共生細菌維持機構の解明
Project/Area Number |
12J08972
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Evolutionary biology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
貝和 菜穂美 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | クヌギカメムシ / 腸内共生細菌 / 産卵場所選好性 / 卵越冬 / 方位選好性 / 親の投資 / 次世代シークエンサー |
Research Abstract |
クヌギカメムシ類はカメムシ目クヌギカメムシ科の昆虫であり、日本には2属5種が生息している。日本に生息しているクヌギカメムシ類は卵塊が半透明のゼリー状物質で覆われており、その物質を艀化幼虫が摂食するという特異な生態が知られている。申請者らはこれまでの研究で、クヌギカメムシ類は中腸盲嚢部に種特異的な共生細菌を保持していることや、盲嚢部以外にも他のカメムシ類では見られない球状の共生器官が産卵口付近に附随していること、共生細菌が卵塊上に産みつけられるゼリー状物質を介して母から子へと垂直伝達している事等を明らかとしてきた。さらに昨年度は宿主であるクヌギカメムシの産卵行動に着目して研究を遂行した。 ・クヌギカメムシの産卵場所選択について野外観察を行った。調査は全てつくば市の松見公園で実施した。その結果、木の幹の高さや太さと産卵数には相関はみられなかったが、産みつけられた方位と産卵数を比較すると、北~北西面に顕著に産卵数が多く、クヌギカメムシの産卵では方位選好性があると考えられた。 ・東西南北それぞれの方位に産みつけられた卵塊をマーキングし2日に一度観察を行ったところ、南面では最も早く2月の頭に艀化が始まり、3月下旬には3令幼虫が分散した。その他の面では南面に比べ艀化が2週間~ひと月ほど遅く分散も4月の上旬であった。宿主であるクヌギ木の新梢は3月末ではほとんど観察されなかったが、4月上旬には多く観察出来た。また、それぞれの方位の樹皮表面における温湿度の変化を測定した所、温湿度とも一日を通して北面で最も安定的に推移し、南面でもっとも激しく変化するという事が分かった。これらの事から、クヌギカメムシは南面を避けて産卵する事で①艀化や成長のタイミングを宿主植物のフェノロジーと合わせている②温湿度の極端な変化を避け、卵や幼虫へのダメージやエネルギーのロスを防いでいる ことが考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)