Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
神経幹細胞から神経細胞への分化、成熟のステップの1つとして、神経突起伸長の制御がある。近年神経突起伸長の制御メカニズムには微小管の安定性制御が重要であることが分かってきた。特に微小管結合因子である、EB/RPファミリータンパク質が微小管の安定性に重要な役割を担っていることが分かっている。このEB/RPファミリーのうち、EB1やEB3は微小管の中でもプラス端に集積する。さらにEB1については、その他の様々な微小管+端集積因子(+TIPs)がEB1依存的に微小管+末端に結合し、微小管を安定化することが知られており、微小管安定化のコアファクターで有ると考えられている。EB2はEB1,3と相同性が高いことが知られているにも関わらず、微小管に対する働きなどは殆ど報告されていなかった。そこで、本研究ではまず(1)EB2の微小管安定性や動態への影響を検討した。EB2が特徴的な微小管束化を阻害することが示唆された。このことはEB2が微小管の不安定化に働くことを示唆し、EB1の微小管安定化とは逆の機能を持つことが示唆された。期待通り、この安定化微小管の束はEB1のノックダウンによって減少した。したがって、EB2はEB1に対し抑制的に働き、安定化微小管の束の形成を阻害していることが示唆された。ところで、繊維芽細胞や上皮細胞などのdirected migrationにおいても、一部の微小管が安定化されることが細胞運動において重要であることが分かっている。そこで、(3)EB2や前述の安定化微小管の束が繊維芽細胞においてdirected migrationに貢献しているか検討した。その結果EB2のKDにおいて安定化微小管が多く観察されるとき、directed migrationが阻害されていた。移動先端でのEB1依存的な微小管安定化が細胞のdirected migrationに重要であることがわかっていた。今回の結果からEB2が移動先端以外の安定化微小管の束を不安定化し、directed migrationに貢献している可能性が示唆された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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