Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
「市民の環境配慮行動における心理プロセスの定量的把握による心理モデル構築」として環境配慮行動に影響を与える心理的な要因を網羅的に取り上げ, どのような構造を経て行動に影響を与えているのかを明らかにした. 日常行動の多くは, 環境配慮行動への好意的な態度や有効性認知, 個人の行動評価である便益, という行動の帰結認知が行動をしたいという意図に大きな影響を及ぼしていた. しかし, 行動実施には, 習慣化に加え, 簡便さや実施方法の知識, 記述規範といった行動実施場面に対し, 即時的で直接的な認知が大きな規定因となった. また習慣化には個人規範や有効態度の影響が大きいため, まず行動を実施することで簡便さや方法を伝えると同時に, 規範意識を高めて習慣化を促すことが行動変容に効果的と考えられた. さらに「市民行動の環境負荷定量的把握」としてLCA手法を用いた2R行動の負荷値を題材に, 「行動変容にむけた市民ワークショップ」を設計した. 構築した心理モデルから心理的因子への影響を検証, 参加者の意識構造と行動の変化を調査した. 結果, 他者の行動例から記述規範を, 自らが実施すべき理由から個人規範を刺激することは, 負荷値の情報だけを伝えることに比べ, 行動実施方法や好意的態度を獲得することにもつながる効果的な変容策となった. これらの結果から, 環境配慮行動促進にむけた促進策には, 行動によって異なる心理的要因の影響を考慮する必要があったため, その要因と行動の関係をまとめ, 行動の実施に対し最大の影響が見られる心理的要因を行動特性ごとに網羅的に把握してその特徴を示した. 環境配慮行動促進策を具体的な行動変容を対象として実施する場合には, このようなまとまった知見が非常に重要となる. また, 市民の行動変容を目指したプログラムでは, 規範意識を刺激することの有効性, そして, 参加型の学びがプログラム設計に沿った対象認知を変化させることが示された.
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