Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
本年度の研究成果として, まず東京における広告関連企業の立地の変容に関する研究を深めるため, 計量的手法を用いた分析を行い, 都心部における広告関連企業の集積地区を抽出・比較し, その特徴を明らかにしたことが挙げられる. この研究成果の一部は, 国際学会IGU2013 Kyoto Regional Conferenceにおいて口頭発表した. 次に, 広告産業のグローバル化に関する実証分析として, まず日本の大手広告会社の海外における立地展開を取り上げた. 具体的には, 『海外進出企業総覧』を用いて進出国, 出資比率に関するデータベースを作成するとともに, 各社の社史, 新聞記事, 業界誌等の資料を収集・分析した. その結果, 一業種一社制という日本とは異なる取引慣行に対応する形で立地展開が進められたことが明らかになった. この研究成果の一部は, 日本地理学会春季学術大会(国士舘大学)において口頭発表を行った. 次に, 日系広告関連企業の海外進出先地域における事業展開について実態を明らかにするため, 広告会社2社, 広告制作会社2社, 計4社に聞き取り調査を実施した. これに加え, シンガポールを事例地域に選定し, 現地法人への聞き取り調査とともに, 資料収集を実施した. その結果, 進出先地域における事業環境と現地拠点の活動内容および取引関係の関係が明らかになり, また日本国内で培われた知識・経験の海外への移転が困難であることが示唆された. そして, 戦後における日本の広告産業を取り巻く環境の変化を整理し, 空間スケールの広がりに留意しつつ, これまでの研究から得られた知見をその中に位置づけ, 戦後の日本の広告産業の空間構造とその変容を考察した. この内容を博士論文としてまとめ, 東京大学総合文化研究科に提出し, 博士(学術)を取得した.
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