日本古代の政務形態と官僚制の実態解明-宮室構造と宮廷儀礼の復原を手がかりとして-
Project/Area Number |
12J09340
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
志村 佳名子 東京大学, 史料編纂所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥2,310,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2014: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2013: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2012: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 王宮 / 宮廷儀礼 / 政務 / 官僚制 / 饗宴儀礼 / 古代史 / 都城 / 儀礼 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本古代の王宮における政務形態を、主として政務が行われた空間の実態的な考察と、宮廷儀礼の執行形態の復原によって解明しようとするものである。平成26年度は、これまで行った研究を総括・体系化し、その成果を学界に発表するため、単著『日本古代の王宮構造と政務・儀礼』の執筆に力を注いだ。本書は、従来史料の稀少な古代の政治形態を具体的に把握するのは困難とされているが、①王宮の空間構造に着目し、②政務の基盤となる官人の勤務制度の分析と、③それらの上に展開される儀礼構造という3つの視角を組み合わせて総合的に考察することにより、日本の古代国家の政治形態の制度的変遷とその特質を、新たな視点から解明することを目的とする。 日本の王宮の儀礼空間の変遷から見た政務・儀礼の特色については、以下のように考えられる。すなわち、日本古代の儀礼では、第一に節会に代表される饗宴儀礼の比重が大きいことが指摘できる。また、王宮への出仕を意味する朝参には、朝堂での日常政務のための尋常朝参、天皇の聴政が行われる朔日・旬日の朝参のほか、節会や外国使節の賜宴などに出席するための行事朝参があり、行事への出席が「見参」として把握される。このことは、饗宴儀礼への参加が官人としての職務であることを表しており、儀式を滞りなく行うことが、官人の天皇に対する「仕奉」の一環として認識されていたことを意味する。これらのことから、日本の礼制は天皇と官人との君臣秩序の維持を主眼としており、古代日本における儀式は、饗宴儀礼の重視に看取されるように、天皇と官人との人格的関係性を形成・確認するためのものという意味合いが強かったと見られる。すなわち、この支配者層の人格的結合を土台として官制機構や各種の支配制度が成り立っているのであり、この権力主体の結合の構造が、日本の律令制国家の政治形態の基層を成していると考えられるとの結論を得た。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)