新規膜貫通型タンパク質によるTRPチャネルの制御機構の解明
Project/Area Number |
12J09397
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Molecular biology
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 智哉 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ノンコーディング / イオンチャネル / シグナル伝達 / N型糖鎖修飾 / 細胞内輸送 / 長鎖RNA / ヒトゲノム |
Research Abstract |
本研究開始時点では、非選択性カチオンチャネルであるTRPチャネルの細胞内イオン流入量が、我々がヒトゲノムのノンコーディング領域から発見したタンパク質OGU1によって増加することを突き止めていた。24年度では、まずTRPチャネルを制御するOGUIタンパク質のアミノ酸部位の同定をした。また、その実験過程でOGU1タンパク質存在下においては、TRPチャネル上の糖鎖修飾状態が変化することやOGU1タンパク質が、細胞内輸送に関わるタンパク質と相互作用することを突き止めていた。この実験結果から、「OGUIタンパク質はTRPチャネルの糖鎖修飾状態を変化させ、細胞形質膜上への輸送を促進し、活性上昇を引き起こす」という仮説を立てた。 そこで25年度は、「OGUIタンパク質によるTRPチャネル活性化メカニズムの解明」を目標に研究実施計画を申請していた。まず、TRPチャネルの糖鎖修飾が細胞形質膜上への輸送に関与するか検証するため、共焦点顕微鏡観察により定量解析行った。その結果、TRPチャネルの糖鎖修飾阻害変異体では、細胞形質膜上への輸送効率が著しく低下したことから、TRPチャネルの糖鎖修飾は形質膜上への輸送効率に極めて重要な役割を果たしていることがわかった。次に、細胞内へのイオン流入量を測定したところ、糖鎖修飾阻害変異体において細胞内イオン流入量が極めて低くなることが明らかになった。これらの結果から、TRPチャネルの糖鎖修飾は細胞形質膜への輸送とイオンチャネルの活性に極めて重要な修飾であり、OGU1タンパク質がTRPチャネルの糖鎖修飾を変化させ活性制御を行っている可能性が強く示唆された。現在、本研究成果を論文にまとめ、査読過程の段階である。 ヒトゲノムには、遺伝子かどうか判別不可能なノンコーディング領域が、数千箇所存在している。本研究成果は、TRPチャネルの活性化メカニズムへの理解を深めるだけではなく、これらヒトゲノム領域の重要性を理解する一助となることが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)