非マルコフ時間領域に現れる励起子揺らぎの四光波混合測定と緩和制御法の研究
Project/Area Number |
12J09422
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)(実験)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田原 弘量 東京工業大学, 大学院理工学研究科(理学系), 特別研究員(PD) (20765276)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 光物性 / 励起子 / 位相緩和 / 量子ドット |
Research Abstract |
位相緩和は通常、時間とともに指数的に減衰する緩和として観測される。この指数減衰緩和はマルコフ位相緩和と呼ばれ、緩和の機構にっいて詳細な議論が行われてきた。しかし位相緩和の初期には、マルコフ緩和では説明できない非マルコフ時間領域が現れる。この時間領域では複雑な緩和形状を示すため、緩和の機構について十分に理解されていない。本研究の目的は「位相緩和の初期に現れる励起子間及び励起子フォノン相互作用の微視的な機構を明らかにすること」であり、半導体中の励起子を対象として緩和初期の機構について研究を行ってきた。本年は、InAs量子ドットの励起子を対象に3つの励起パルスを用いた実験を行った。 昨年行った励起子分子ビートの制御について精密な議論を行うために、2つの遅延時間差に対する依存性を解析した。本研究の方法はこれまでのコヒーレント制御法とは異なり、2つの遅延時間を調整することで振動の制御を行う。この新しい制御法により、励起子分子ビートを長時間維持し、振動の位相を制御することに成功した。 次に、フォノン相互作用による非マルコフ緩和について研究を行った。位相緩和の測定には四光波混合法を用いることが一般的であるが、非マルコフ緩和は緩和の初期にしか現れないため、通常のマルコフ緩和から分離して測定することが困難である。本研究では3つの励起パルスを用いた六光波混合法によって解析を行うことでマルコフ緩和の影響を取り除くことに成功し、非常に長時間の非マルコフ時間領域を初めて観測した。この長い非マルコフ時間領域は励起子を量子ドットのポテンシャルに閉じ込めることで生じることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)