ドラーム・ヴィット複体の一般化と,その導く傾きスペクトル系列の退化の研究
Project/Area Number |
12J09501
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Geometry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮谷 和尭 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 超幾何函数 / 有限体上の超幾何函数 / Dwork family |
Research Abstract |
本年度の前半では,リジッドコホモロジーの整構造にかんする研究を行った, より詳しくは,正標数の完全体k上定義された滑らかな多様体XのリジッドコホモロジーはWitt環W(k)の商体を係数とする線型空間であるが,これにはDavis, Langer, Zinkの3氏の研究により自然にW(k)部分加群が定まる.これが格子となっているか否か,および,Xが固有(あるいは射影的)である場合にクリスタルコホモロジーと比較できるか否かを考察した. リジッド解析空間の変種を使うというアイディアを得,当初は肯定的に解決することができそうだと考えていたが,いくつかの問題があって解決に到らなかった. 本年度の後半では,有限体Fq上定義されたある種の超曲面について, (1)クリスタルコホモロジーのunit rootと超幾何級数の関係 (2)ゼータ函数と,有限体上の超幾何函数の関係 を考察した. (1)に登場する超幾何級数は,有限体TqのWitt環を係数とする通常の超幾何級数である. 本研究で,この超幾何級数を用いて,超曲面のクリスタルコホモロジーがunitrootをもつか否かを判定し,もつならばその具体的な公式を与えることができることが分かった. この結果はYu(2009)のDwork familyにかんする結果の直接の拡張であり,これ自体の証明の手法は新しくないが,(2)に現れる超幾何函数と関係づけられるという事実が目新しいものである. (2)に登場する超幾何函数は,Greene(1987)によって定義された「有限体上の超幾何函数」であり,有限体F-qの元に対して代数的数を対応付ける写像である. 本研究で,この超幾何函数を用いて,超曲面のゼータ函数を具体的に記述できることを証明した. 以上の2種類の超幾何函数(級数)において,そのパラメータがきちんと対応していることを見出したのが,本研究の最も重要な点である.
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)