確率的ボラティリティ変動モデルのベイジアン・ノンパラメトリック推定
Project/Area Number |
12J09667
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Economic statistics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
入江 薫 東京大学, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 確率的ボラティリティ変動モデル / ベイズ統計学 / ノンパラメトリック分析 / ディリクレ過程 / 混合サンプラー / スライス・サンプラー / 独立スライス / 実現ボラティリティ |
Research Abstract |
先の交付申請書では、本年度の目標として、ノンパラメトリックな確率的ボラティリティ変動モデル(SVモデル)の提案とその推定を目指すとした。追加的な情報として実現ボラティリティ(RV)を用いることやモデル比較を行うことは次年度以降の目標として定めた。 今回の研究廃止に至るまで、本研究は以下の事項を達成した。第一に、当初目標としていたノンパラメトリックなSVモデルの推定に成功した。このためには、モデルの識別性などの理論的な考察に加え、統計解析ソフトを使用しての計算プログラムの作成や、プログラムを何度も実行して事前分布の影響を試行錯誤的に調べることが必要であった。次に、実データを用いた実証研究を行い、本研究の動機である「利回りの負の歪度・高い尖度の存在」を明らかにした。これは本研究の提案するモデルが、単なる数学的拡張ではなく、今までのモデルでは捉えきれなかった現実のデータの特徴を説明できたということを示しており、本研究の実証研究としての意義を考える上で重要な結果である。さらに、RVを加えたモデルの提案と推定を行った。具体的には、シミュレーションデータを用いてこれまでのモデルの分析結果と比較することにより、RVという追加的な情報がノンパラメトリック分析の欠点を補い、精度の高い推定を可能にすることが示された。RVを用いたモデルへの拡張は次年度以降に予定していた内容であるが、上述の研究の進展に伴い早期に着手することができた。 最後に、これらの研究成果について、六月に京都で開催された国際ベイズ分析学会の世界大会(ISBA2012)にてポスター発表を行い、参加者から多くの示唆に富むコメントを得た。特に本研究が使用する最新の推定方法である独立スライス・サンプラーの論文の著者と直接議論をすることができ、また彼らの非公開の研究レポートについて知ることができた。得られたコメントは、これから本研究を改善し、国際学術誌への掲載に耐えうるものにしていくために大いに寄与すると思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)