含カルコゲン蛍光性化合物の開発とその特異な蛍光特性の解明
Project/Area Number |
12J09712
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
山口 雄規 埼玉大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 蛍光 / リン光 / テルル / 硫黄 / セレン / 白金 / トリプチシル基 / ジベンゾバレレニル基 |
Research Abstract |
本研究ではセレンのような重原子を含むにもかかわらず強い蛍光を示す3-メチレン-2,3-ジヒドロカルコゲノフェン誘導体の特異な発光特性発現のメカニズムの解明とそれらを用いた発光素子の開発を目的とした。 発光メカニズム解明のためにまずセレンよりも高周期のテルルを含んだ3-メチレン2,3-ジヒドロテルロフェン誘導体を合成したが、蛍光性は硫黄やセレンと比べ著しく低下した。このことから第五周期の元素では重原子効果が強く影響することがわかった。 3-メチレン2,3-ジヒドロテルロフェン誘導体はほとんど蛍光を示さなかったが、その前駆体として合成した四員環テルラプラチナサイクルが室温、溶液状態では発光を示さなかったが、結晶状態においては室温でも強いリン光を示すことを見出した。硫黄、およびセレン類縁体のリン光性も確認し、カルコゲン元素の周期が大きいほど短波長で強く発光した。 類似錯体として五員環テルラプラチナサイクルも合成したところ、四員環錯体の場合と同様に室温、溶液状態では発光を示さないが、結晶状態ではより強いリン光を示した。得られた錯体については様々なリン配位子を用いて配位子交換反応を検討したところ、青から赤色までの多彩な発光を示す錯体が種々得られた。その中でも、室温、固体状態にもかかわらず、発光量子収率1.0をしめす非常に強いリン光錯体も得られた。室温、固体状態で強いリン光を示す化合物はあまり多くないため、得られた錯体は新しい発光材料として重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初、蛍光性化合物の特異な発光特性発現のメカニズムを解明するための研究であったが、前駆体として合成した白金錯体が固体状態で強いリン光を示すという予想外の結果を得たため。室温、固体状態における強いリン光は珍しく、それらを用いた発光材料への応用が大いに期待できるため、当初の計画以上の進展であると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
予想外の強い固体リン光性の白金錯体を発見したので、類似の誘導体を各種合成し、より効率の良い発光材料の開発を目指す。具体的には、リン配位子の交換をさらに検討するとともに、窒素配位子やN-ヘテロサイクリックカルベンはいいしなどへの変換も検討する。白金だけでなく、同族のパラジウムやニッケル錯体でも同様の発光を示すかにも興味が持たれるため、それらの金属錯体の合成も検討する。白金と同周期のイリジウムや金錯体への変換も検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)