強力な生理活性を有するイソキノリンアルカロイドの合成研究
Project/Area Number |
12J09842
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
吉田 篤史 静岡県立大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | Picetet-Spengler反応 / 全合成 / レモノマイシン / ET-743 |
Research Abstract |
レモノマイシンのテトラヒドロイソキノリン骨格の合成は、他の類似のアルカロイドにも適用可能な3つの鍵反応を用いる合成手法を確立することで達成した。即ち、ジケトピペラジンユニットとアルデヒドとを1つ目の鍵反応であるPerkin型縮合反応を行うことで、カップリング体を高収率にて得た。三重結合部位を部分還元することでアリルシランとし、次に2つ目の鍵反応である分子内Hosomi-Sakurai反応を行った。即ち、イミド部位を部分還元してヘミアミナールとした後、酸性条件に付すことで、イミニウムカチオンの生成、続くアリルシランからの環化が進行し、完全な立体選択性にてビシクロ[3.2.1]骨格を構築した。さらに、種々の変換によりアミノニトリル体へと導いた。次に3つ目の鍵反応であるシンナムアルデヒドを用いたPictet-Spengler反応により、単一のジアステレオマーとして目的の四環性化合物を得ることに成功した。以上、レモノマイシンの主骨格である四環性化合物の効率的合成法を3つの鍵反応を用いることで確立した。さらに、四環性骨格に対して、グリコシド化反応によりアミノ糖を導入した後、保護基の除去、アミナールへの変換、キノン体へと酸化することでレモノマイシンの全合成を達成した。 エクテナサイジン743のテトラヒドロイソキノリン骨格である五環性骨格の構築法を、レモノマイシンの四環性骨格の合成法を応用することで確立した。まず、チロシンより調製したE環を有するジケトピペラジンと別途調製したアルデヒドをPerkin型縮合反応によりカップリングした。続いて、ヘミアミナールへと変換した後、酸性条件に付すことで位置選択的にPictet-Spengler反応が進行し、ビシクロ[3.3.1]骨格を有する化合物の合成に成功した。さらにアミノニトリルへと変換した後、Pictet-Spengler反応によりB環を構築することで目的とする五環性骨格の構築に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3つの鍵反応を用いた合成法により、四環性、または五環性骨格を有する2つのテトラヒドロイソキノリンアルカロイドの効率的な主骨格の合成法を確立した。本研究において確立した方法論は、ジケトピペラジンユニットを変更することで、様々なテトラヒドロイソキノリンアルカロイドに対して幅広く適用可能と考えられる。これより、構造の複雑さ故に誘導体合成が困難であったテトラヒドロイソキノリンアルカロイドの詳細な構造活性相関研究を可能とし、新規リード化合物の創製へと繋がる成果を得た。これらの研究には、天然物合成を基盤とする創薬科学への学問的貢献が認められる。
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Strategy for Future Research Activity |
就職によりH25を辞退しました
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)