太陽電池用シリコン基板中の欠陥発生メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
12J09881
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
立花 福久 豊田工業大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 結晶シリコン / 結晶欠陥 |
Research Abstract |
本年度は昨年度作製した濡れ性を抑制し, インゴット全体を大粒径化させたインゴットの軽元素不純物の分布について詳細に評価を行った. 雰囲気制御を行うことで炭素不純物の混入が約半分程度まで低減できることを明らかにした. これらの結果を学会発表および学術論文として報告を行った. これらの結果については13. 研究発表で示すとおりである. 軽元素不純物, 特に炭素不純物の混入抑制を行ったことにより, インゴット全体での大粒径化, 結晶粒界の抑制が達成されたものと考えられる. 現在更なる濡れ性と結晶欠陥の分布について評価を進めており, 結晶欠陥発生メカニズムに関する検討を進めている. 本研究成果は安価な結晶シリコンインゴット作製時に問題とされている結晶欠陥発生の抑制に繋がる技術である. 結晶欠陥を完全に抑制した単結晶シリコンインゴットの作製をキャスト法で達成することは太陽電池用だけでなく他のデバイス応用まで広がることが出来る. また, 抑制方法の開発はシリコン以外の材料への適応も可能であると考える. 本申請者の申請時における研究計画では理想的結晶粒界の形成を行い, インゴット全体の高品質化につなげることを目的としていた. しかし, 濡れ性と結晶欠陥の発生に関する評価を進めていくことで, 結晶粒界をはじめとする結晶欠陥の発生を大きく低減できる可能性を示した. これらは理想的結晶粒界の形成とは異なるが, インゴット全体での高品質化という最終目標との差異はない. 本研究で得られた成果を基に濡れ性と結晶欠陥の分布, るつぼ壁との反応について詳細に評価を進めることで, 結晶欠陥発生メカニズムの解明に努めていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終年度である平成25年度は雰囲気制御を行い作製した結晶シリコンインゴットの軽元素分布と結晶欠陥の分布に関する評価を行ってきた. それらの結果から濡れ性と結晶欠陥の発生の関係についてのモデル提起を行った. 学会発表, 論文執筆を行ってきたが, 未だ十分なモデルの確立には至っていない. 大型インゴットへの移行を現在進めているおり, そこで作製したインゴットを用いてより詳細な評価を進めていく予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究において得られた研究成果を基に, 大型のインゴット作製に着手する. これまでに多くの結晶シリコンを作製してきた成長炉を用いることで他のインゴットで発生していた結晶欠陥との相互評価が可能となる. また, 濡れ性の定量的な評価を行うため接触角の測定を始める予定である. 大型インゴットの作製, 接触角の測定からより詳細な濡れ性と結晶欠陥の発生に関する知見を得ることで, るつぼ壁とシリコンとの界面で発生する結晶欠陥の発生メカニズムについて明らかにする.
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)