反応性カチオン種の制御を指向した非配位性キラルアニオン型ブレンステッド酸の創製
Project/Area Number |
12J09934
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 崇希 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ホスフェイトイオン / 有機触媒 / 不斉合成 / 有機化学 / 有機合成化学 |
Research Abstract |
本研究は、キラルな非配位性アニオンによる反応性カチオン種の制御を目的とし、イオン間相互作用を鍵とする立体制御法の新しい領域の開拓を目指している。すなわち、反応性カチオン種の発生を担うプロトンとキラルな反応場を提供するキラル非配位性アニオンから成るブレンステッド酸を創製し、従来にない高立体選択的分子変換を成し遂げる。 初年度に合成したホスフェイト塩の三次元構造をX線構造解析によって調べ、目的とするハイドロジェンホスフェイトの塩化水素錯体であることを明らかにした。この事実は、得られたホスフェイトイオンが想定したブレンステッド酸ではなくブレンステッド塩基としてふるまうことを示している。そこで、酸性度向上を図るため、配位子骨格への電子求引基の導入により電子密度を下げたボスフェイトイオンを新たに設計した。新たなホスフェイトイオンは、先のホスフェイトイオンと同様に既存のキラル源を出発物質として、数段階で簡便に合成でき、また実際にキラルハイドロジェンホスフェイトがDMSO複合体として単離可能であることを明らかにした。この時、ホスホニウムイオンを高配位化してホスフェイトイオンを合成する反応を^<31>P NMRを用いて追跡し、環境に応答してリンー酸素結合の形成・開裂が可逆的に起こり、5配位ボスホランおよび6配位ボスフェイトイオンが生成するユニークな動的挙動を発見した。 得られたキラルハイドロジェンボスフェイトのキラルブレンステッド酸触媒としての機能評価を行った。様々な反応系で検討を行い、ブレンステッド酸触媒として良好な活性を持つことを確認するとともに、高いエナンチオ選択性を示す反応系を見出した。これは、キラルハイドロジェンホスフェイトがブレンステッド酸性を備えたキラルアニオン型有機分子触媒として働き得ることを証明する結と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)