波長可変パルスを用いた分子内ホールの超高速ダイナミクスの測定
Project/Area Number |
12J10272
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
原子・分子・量子エレクトロニクス
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 康作 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 高次高調波 / 位相測定 / 光電子 / イオン化閾値 / 光イオン化 |
Research Abstract |
前年度から行ってきた位相差測定装置開発を完了させ、クリプトン、アルゴンおよび窒素分から発生する高次高調波の位相差測定を行った。Ti : sapphire増幅器から出た波長800 nm光のを基本波として気体のジェット中に集光し、高次高調波を発生させた。この高調波を基本波と軸に合わせ、ピエゾ素子駆動の遅延ステージによって両者の時間差を変えながらアルゴンのガスジェット中に集光した。発生した光電子を速度マップ型のイメージング装置で観測した。高次調波と基本波の時間差を変えると、それぞれの光子一つずつが寄与する2光子イオン化の信号が変動し、そこから隣り合う次数間の位相差を抽出することができる(RABITT法)。クリプトン、アルゴン、窒素から発生する高次高調波について位相差を測定し、結果を比較した。観測した全ての次数において、クリプトンの位相差はアルゴンおよび窒素のものより大きい値をとっていた。この結果は、高次高調波の発生過程で電子が獲得する位相がイオン化ポテンシャルに比例するという半古典的なモデルで説明できる。実際、クリプトンのイオン化ポテンシャルはアルゴンや窒素に比べて有意に小さく、半古典モデルに基づいて行ったシミュレーション結果は実験で得られた違いをよく再現した。一方、実験で得られた位相差ではイオン化閾値に近い領域においてアルゴンと窒素に明確な違いが現れた。この結果は上述のモデルでは説明できず、イオンの作るクーロンポテンシャルの形状の違いが寄与している可能性がある。現在この成果を論文にまとめて投稿準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)