ベーリング海グリーンベルトの生物生産を支える水塊輸送・混合に関する研究
Project/Area Number |
12J10483
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Meteorology/Physical oceanography/Hydrology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 雄大 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | グリーンベルト / 潮汐混合 / 内部潮汐 / 乱流鉛直鉄フラックス / 潮汐混合モデリング / ベーリング海陸棚縁辺 / グライダー観測 |
Research Abstract |
ベーリング海グリーンベルトは、南東部陸棚縁辺に沿って存在する高生物生産帯であり、陸棚海底付近と陸棚縁辺沖での強い鉛直混合による下層からの硝酸塩・鉄供給が、その持続的な高生産に大きく寄与する可能性がこれまでの我々の観測によって示唆されている。本年度は、昨年度から引き続き、観測された鉛直混合強度の空間分布の代表性や潮汐流との対応を明らかにする事を目標に研究を行った。 昨年度から行っている3次元潮汐モデルを用いた数値計算結果から、陸棚緑辺周辺の強い潮汐混合・エネルギー散逸が峡谷城を中心に斜面域に普遍的に分布する事が示され、観測された陸棚底層と陸棚縁辺沖表亜表層での強い鉛直混合が、それぞれ主に日周、半日周期の内部潮汐流に伴う流速鉛直シアの強化に起因する可能性が示唆された(Tanaka et al. 2013、本年度JGRに発表)。 また、おしょろ丸航海で行った乱流集中観測データから得られた日平均鉛直混合強度の鉛直断面分布は、これまで行った1測線1回のみの観測から得られた分布と整合的であり、陸棚縁辺から約15km沖内の観測点の約60-80m深では、平均鉛直拡散係数、平均エネルギー散逸率共に極大となっていた。陸棚縁辺沖約10kmの点では、日周・半日周潮汐流を分解するため、1日6回の流速観測も併せて行った。流動場は、日周・半日潮流成分の寄与が大きく、特に60-80m深では、半日周潮流が卓越していた。この潮流が卓越する水平流速鉛直シアと乱流エネルギー散逸率には有意な正の相関関係が検出され, 大きな鉛直混合・エネルギー散逸が、潮流による流速鉛直シアに起因する事が示唆された。 陸棚縁辺沖で亜表層から表層に供給される乱流鉛直溶存鉄フラックスは、等密度面に沿って陸棚からグリーンベルト表層へ水平輸送される溶存鉄フラックスと同オーダーと見積もられた。この事から、鉛直混合による下層からの鉄供給が、一次生産の維持に対して重要な寄与を果たす事が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)