低頻度刺激が誘導する新規シナプス可塑性の意義の解明
Project/Area Number |
12J10550
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮本 大祐 東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 睡眠・覚醒 / 学習・記憶 / 局所場電位 / デルタ波 / 同期性 |
Research Abstract |
宮本特別研究員はノンレム睡眠時に観察される低頻度のオシレーションであるデルタ波に重点を置き、電気生理学実験と光遺伝学実験を中心に研究を遂行してきた。24年度に、睡眠時において、デルタ波は大脳皮質領域間における同期性が高いことを解明した。25年度は、睡眠時における大脳皮質領域間の情報連絡の意義を解明するために、行動神経科学的な検討を行った。まず、1回のトレーニングで成立する触覚記憶試験である物体-床面認識試験を開発した。物体-床面認識試験において、シナプス可塑性に重要であるNMDA受容体依存的に記憶の固定化が生じていた。加えて、二次運動皮質-一次体性感覚皮質経路依存的に触覚記憶が獲得・固定・想起が生じることを光遺伝学的に解明した。従来、睡眠の記憶の固定化への関与を示すために、断眠処置が行われてきた。しかし、断眠処置を行った場合、ストレスが生じるだけでなく、脳全体が覚醒状態となって神経活動が操作されてしまう。そのため、睡眠時における脳領域間の情報連絡の意義は解明されていない。そこで、オンライン解析による自動睡眠判定と光遺伝学的な神経活動の操作を組み合わせることにより、特定の睡眠状態の時のみ、神経活動を操作することを可能とした。そして、触覚記憶の固定化には、デルタ波が顕著に生じるノンレム睡眠時におけるM2-S1間の遠隔な情報連絡が重要であることを解明した。以上の研究からデルタ波によるシナプス可塑性の記憶の固定化への意義が示唆された。加えて、1本の学会誌論文と2本の総説論文を執筆した。以上の研究内容、研究成果ともに、期待以上の発展があったと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
25年度の研究からデルタ波によるシナプス可塑性の記憶の固定化への意義が示唆された。加えて、1本の学会誌論文と2本の総説論文を執筆した。以上の研究内容、研究成果ともに、期待以上の発展があったと考えられる
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Strategy for Future Research Activity |
学習後の睡眠時における低頻度の活動を記録する。そのために、テトロード電極を用いて複数の神経細胞の活動を同時に高い時間分解能で捉える。そして記憶の再生や、シナプス強度について解析する。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)