耐酸化コーティングを施したニッケル基単結晶超合金の組織解析
Project/Area Number |
12J10616
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Aerospace engineering
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
笠井 一輝 芝浦工業大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | アルミナイズ / ニッケル基単結晶超合金 / 二次反応層 / 高温酸化 / 組織変化 |
Research Abstract |
Ni基単結晶超合金に耐酸化コーティングを施した場合, 高温下でボンドコート基材間に相互拡散が生じる。この結果として様々な組織変化が生じ、その結果, 基材の力学特性の低下やコーティングの劣化が引き起こされる。これまでの研究により、ボンドコートとしてアルミナイズを施した試料について、アルミナイズ製膜条件の違いにより二次反応層(Secondary Reaction Zone : SRZ)、二次拡散層(Secondary Diffusion Zone : SDZ)、ボイドといった異なる組織の形成が生じることが明らかとなった。基材の劣化につながるこれら組織変化の形成機構について、特に二次反応層(SRZ)に着目しその形成・成長機構に関して組織学的な観点から研究を行ってきた。本年度の主な結果を以下の2点、①SRZの3次元解析、②組織変化が耐酸化特性に及ぼす影響に大別し、その概要を列記する。 ①SRZの3次元解析 3D-EBSDを用いて, SRZの結晶粒を3次元可視化することに成功した. 連続断面像から3D像を作製し, 個々のSRZ粒の複雑形状を明らかとするとともに, SRZ形成に方位依存性が存在する理由について, SRZ内部の双晶が影響するという新たな知見を得た。 ②組織変化が耐酸化特性に及ぼす影響 基材/ボンドコート界面に生じる組織変化がコーティング表面に及ぼす影響について, SRZを通じたコーティング層中に存在するAlの内方拡散がコーティングの劣化を促進させ, 結果として耐酸化特性が低下することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は組織変化が耐酸化特性に及ぼす影響について明らかにし、組織変化が耐酸化特性に影響を与えることが確認された。また、これまで考察してきた組織変化過程についで3次元解析を行い、新たに双晶粒界の影響が存在することなど、組織形成機構を明らかにするために重要な知見が得られた。これらの結果より、おおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究では、界面近傍に生じる組織変化、特に二次反応層(SRZ)についてその形成機構の解明を行ってきた。しかしながら、SRZ以外の組織変化、二次拡散層(SDZ)、ボイドの形成機構に関してはいまだ不明確な部分も多い。その形成メカニズムについて、界面の応力、加熱履歴の影響があることが分かっているが、その詳細についてはいまだ予想の域を得ていない。よって、コーティング製膜法の比較や加熱履歴の影響調査から界面近傍の応力状態を明らかにし、SDZ、ボイド形成メカニズムを解明することを今後の実験課題とする。
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Report
(2 results)
Research Products
(20 results)