銀河X線ハローの構造の理解と誘電体を用いた次世代X線マイクロカロリメータの開発
Project/Area Number |
12J10673
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理(実験)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関谷 典央 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | X線天文学 / 銀河 / 「すざく」衛星 / X線検出器 / マイクロカロリメータ / すざく衛星 |
Research Abstract |
本研究は、X線エネルギーの精密測定とX線イメージングを同時に行うことができる世界初の検出器「誘電体マイクロカロリメータ」の原理実証と、銀河X線ハローの構造解析を目的とする。 誘電体マイクロカロリメータについては、信号読み出しのためのGHz帯LC共振回路を極低温下で動作させる実験を行った。電力供給線路と共振器の間のカップリングの最適化を何度も繰り返し、極低温下で共振現象を確認できるようになった。また、これにLED光のパルスを照射して、その信号を読み出した。これによってkeVオーダーのX線の検出可能性が示され、誘電体マイクロカロリメータの原理実証に初めて成功した。 銀河X線ハローの構造解析については、X線観測衛星「すざく」のデータアーカイブから全天145領域のデータを選択し、銀河X線ハローの温度と電波放射強度、高速分子雲との相関を調べたが、明らかな相関を見出すことはできなかった。しかし、この解析の過程で2つの発見があった。第1に、地球外層大気の中性酸素と太陽X線が反応することによって放射される蛍光輝線の強度が、2011年以降大きくなっていることを発見した。これは、太陽活動極大期による太陽X線フラックスの増加が原因であると考察できる。第2に、全天145領域のうち18領域において、天の川銀河X線ハローの典型的な温度200万度から300万度の高温プラズマに加えて、温度約1000万度の高温プラズマの塊が存在していることを発見した。この高温プラズマの塊は、天の川銀河内の超新星爆発由来のガス、もしくは銀河間空間から天の川銀河に降着するガスなどの起源が考えられる。このどちらの起源にしても、銀河と銀河間空間の物質やエネルギーのやり取りを担っている可能性があり、宇宙の化学的進化を解明するための手がかりとなる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
誘電体マイクロカロリメータについては、1素子によるLED光の信号検出に成功したが、X線の信号検出は行っておらず、また、多素子化もできていないため、遅れていると判断した。銀河X線ハローの構造解析については、全天145領域の系統的解析を完了させ、温度約1000万度の高温プラズマの塊が天の川銀河に付随している可能性を見出したため、順調に進展していると判断した。総合的にはやや遅れていると判断した。最終年度である
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)