日本における蚊媒介性感染症のリスクに関する地理学的研究
Project/Area Number |
12J56673
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Geography
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
米島 万有子 立命館大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 蚊媒介性感染症 / 媒介蚊の捕獲調査 / 人間と蚊との接触機会 / 質問紙調査 / 歴史的景観・文化財 |
Research Abstract |
本研究の目的は、媒介蚊の個体数と景観との関連性、人間と蚊との接触機会の視点から、蚊媒介性感染症に対する潜在的なリスクをもつ地理的条件を明らかにすることである。また、媒介蚊および蚊媒介性感染症への認知と対策について検討した。本年度は、京都市を対象にし、以下の課題について取り組んだ。 まず、京都市内の住宅、寺院、公共施設で行った蚊の捕獲調査のデータを用いて、媒介蚊の個体数を、地理情報を用いて把握した調査定点周囲の景観指標(土地利用構成比など)によってどれほど説明しうるかを、回帰分析によって検討した。その結果、蚊の個体数は、蚊の発生源となる水域からの有無・下水道のタイプ、休息場所となる緑の多さなどに寄与していることが推定された。 次に、人間と蚊との接触機会と居住環境との関連性について明らかにすべく、質問紙調査を実施した。分析の結果、家屋形態、エアコンの使用などの住宅の特性と蚊の発生源となるような場所や水域が近くにあるなどの住宅周囲の環境によって、蚊との接触機会蚊との接触機会が規定されることが居住者による評価を通して改めて確認できた。 以上、蚊の個体数と景観との関係性、人間と蚊との接触機会に関わる成果については、研究論文や学会において研究発表をした。 また、潜在的な蚊媒介性感染症のリスクを減じる対応を検討するために、歴史的景観・文化財である二条城の堀と蚊の発生に関して、関連機関および住民に対しておこなった聞き取り調査、質問紙調査の内容をもとに、現段階での蚊の発生状況および対策と、それにまつわる問題点を整理し、文化財保全と人間の健康との共存できるような蚊媒介性感染症のリスク軽減案の検討を進めた。 これらの研究は継続中であり、平成25年度に本研究の成果を纏めていくとともに、蚊の生態、人間の健康維持と生活の質の向上を組み入れた都市計画について議論を展開していきたいと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)