Project/Area Number |
13021247
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Humanities and Social Sciences
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
藤田 高夫 関西大学, 文学部, 助教授 (90298836)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 簡牘 / 木簡 / 竹簡 / 編綴 / 写本 / 冊書 / 墓葬 / 出版 / 秦漢 / 書籍 |
Research Abstract |
研究成果の一部をまとめた「簡牘時代の書誌学研究序説」において、簡牘書籍の形態面、とくに冊書としての編綴方法の詳細な分析を行し、編綴と収巻の観点を掘り下げて、書籍と記録・帳簿との違いを摘出した。分析対象としたのは、事例の豊富な辺境出土簡牘と秦漢時代の墓葬出土簡牘である。その結果、簡牘に書写すべきコンテンツによって、編綴・収巻方法に違いがあり、その違いが(少なくとも筆写段階では)書かれるものが書籍なのか、記録なのかの違いに対応することを指摘した。具体的には、記録類では書かれる内容が日々蓄積され、最終的な書写内容が最期まで確定しないために、いわばファイル方式で次々と簡が賦課されていく方式をとらざるを得ず、その結果、冒頭簡からの編綴・収巻方法がとられることになるのに対して、書くべきコンテンツの確定している書籍の場合には、必要とされる簡牘数もあらかじめ想定されており、かつ冒頭部分から読み始めることを可能とするために、末尾簡からの収巻方法がとられ、その結果編綴も末尾から行われることが判明した。書籍か記録かという弁別は、従来その内容に依存して議論されてきたのであるが、断簡が多く内容全体を把握できない墓葬出土書籍の場合、かかる単純な相違からする議論がきわめて有効であることは言をまたない。本特定領域では、「何が出版物か」を議論する必要のない版本時代の研究課題が当然の事ながら多数を占めるが、その中で本課題は、典籍のテキストが固定される以前の時代における「出版物」の概念を論ずるための基礎的論点の提示という成果を上げることができた。また、書式上の相違から記録類の分析を実際に試みたのが論考「出土簡牘より見たD21遺址の性格」(冨谷至編『辺境出土木簡の研究』、朋友書店、2003年)である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)