分子シンクロを用いた高電荷輸送性ポリペプチド液晶の調製と新規画像素子への展開
Project/Area Number |
13022207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小林 範久 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (50195799)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ポリペプチド / 液晶 / 電荷輸送性 / 画像素子 / ポリペプチド液晶 / 電荷輸送性高分子 / カルバゾール / 電場消光 / 画像材料 |
Research Abstract |
ポリペプチドの側鎖に電荷輸送性分子をペンダントさせることで側鎖分子は規則的に配列し、高効率な電荷輸送が期待できる。カルバゾリル基を側鎖にペンダントしたポリペプチドpoly(γ-[2-(9-calbazolyl) ethyl]-L-glutamate)(PCLG)を合成し、その電荷輸送特性について検討を行ってきた。ポリペプチドはαヘリックス構造を有する剛直な棒状分子であるため、適切な溶媒と濃度を選択することでリオトロピック液晶を形成する。PCLGを液晶状態とし、配向させることにより優れた電荷輸送特性を示すことが確認されている。一方、この素子は直流高電圧を印加することで白濁化する特性を有している。本研究では、このPCLG液晶セルの電界白濁化の機構解析と、それらが電荷輸送特性に与える影響について検討した。 PCLG液晶セルに0〜100Vを印加した場合、電圧を印加することにより、350nm付近のカルバゾール基に起因する吸収ピークの減少が確認された。これはPCLG分子主鎖の配向によると考えられる。一方、可視域における吸収は300V以下では認められず、300V異常で認められるこの領域での吸収の増加が白濁化現象に起因していると考えられる。すなわち白濁化は低電圧域におけるPCLG分子の配向状態の変化に起因する現象でないと考えられる。また電圧印加除去後の吸収スペクトルは電圧印加前の状態に戻ることから、電圧印加に伴うPCLG分子構造変化はないものと考えられる。さらに、このセルの偏光顕微鏡写真における詳細な検討から、この白濁化が電極近傍における電気流体力学的不安定性による乱流運動に基づく動的散乱効果であることが明らかとなった。 次に、このPCLG液晶セルの電界白濁化および液晶状態の電荷輸送特性への影響について検討した。その結果、キャリア移動度は電場印加に伴うネマチック相からホメオトロピック配向への状態変化で上昇し、さらにそれ以上の電圧印加における動的散乱状態ではネマチック相より減少することが明らかとなった。電場方向におけるPCLG主鎖の配向状態と電荷輸送特性に大きな相関があることが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)