ハイドロゲル超薄膜の逐次調製と分子シンクロ型機能発現システムの構築
Project/Area Number |
13022258
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
芹澤 武 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (30284904)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 高分子電解質 / 多層超薄膜 / 逐次積層 / ハイドロゲル / 静電相互作用 / 超薄膜 / 自己組織化 / 超分子化学 / ナノ材料 / 分子認識 |
Research Abstract |
金電極を持つ水晶発振子(QCM)を基板として用いて超薄ハイドロゲルの生成過程を定量的に解析した後、サイクリックボルタンメトリー(CV)により基板電極上でのフェリシアンイオンの酸化・還元過程を電気化学的に解析することで、モデルイオンの透過挙動を観察した。調製したゲル薄膜が水中で40nmといった厚さを有するにもかかわらず、被服前のQCM電極とほぼ同じピーク電流値が得られた。固体状態の交互吸着膜では20nm程度の厚さであっても全くイオンは透過しないことから、この薄膜が膨潤しているために、容易に膜中をイオンが透過したものと考えられる。水溶液の温度を変化させながらCV測定した結果、NIPAAmの下限臨界溶解温度に由来するハイドゲルの相転移温度以上では、ピーク電流値が劇的に減少し、イオン透過を抑制していることが明らかになった。この外部環境依存的なイオン透過は、相転移温度を境にして可逆的に繰り返すことも可能であることが分かった。これらの結果より、調製した超薄ハイドロゲルは、外部温度にシンクロする形で物質透過をon-offできることが明らかになった。有機低分子の担持能について検討すること、また結合挙動から膜構造を類推することを目的として、モデル色素であるカチオン性のメチレンブルー(MB)とアニオン性のメチルオレンジ(MO)を超薄ハイドロゲルに吸着させた。その結果、MOは容易に膜中を透過し担持することができるのに対して、MBは吸着しなかった。膜中の官能基の残存量および電荷種は、適用する高分子の組み合わせを変えることで容易に制御できることから、様々な有機低分子を担持できることが示唆された。また、アルカリ水溶液に浸すことで担持したMOをpH依存的に放出することができた。よって、外部環境にシンクロした放出制御も可能であることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)