生体内環化付加反応機構の解明を指向した高次構造環状天然物の化学合成
Project/Area Number |
13024266
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
只野 金一 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (20051914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高尾 賢一 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (70287481)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 合成化学 / 抗生物質 / 有機化学 / 生合成 / 酵素阻害剤 |
Research Abstract |
本課題研究の目的は、分子内ディールス-アルダー反応(4+2型環化反応)を鍵とした抗生物質マクアリミシン類の光学活性体としての全合成の達成と、不明である絶対立体化学の決定である。マクアリミシン類はその生合成過程において分子内ディールス-アルダー反応の関与が示唆されている化合物であり、また類似の構造をもつ化合物としてコクリアマイシンやFR-182877が最近報告され、現在それらの合成研究も活発に行われている。マクアリミシン類は、中性スフィンゴミエリナーゼ阻害活性等を有する、全炭素骨格より成る新奇な17員環状の4環性化合物である。我々はこれまでにマクアリミシン類の全炭素骨格を備えた基質を数種類合成し、それらを基質とした分子内ディールス-アルダー反応を検討した。すなわち、D-マンニトールより立体選択的に合成した2連続不斉炭素を備えた鎖状ビニルスズ誘導体と、(R)-エピクロロヒドリンから合成した末端ビニルヨウ素部をもつ10炭素γ-ラクトン体とのスティレカップリングにて、18炭素よりなるD環部を備えた(E,Z,E)-トリエン誘導体を効率良く合成した。この基質の分子内ディールス-アルダー反応は、マクアリミシン類のテトラヒドロインダノン環部(A/B環部)に存在する全ての不斉炭素を望む立体化学にて含む環化付加体を、単一生成物として高収率、高立体選択的(エンド選択性とπ面選択性)に与えた。なお、この環化体よりの分子内クネベナーゲル反応を経るC/D環部の構築に関しては、現在まで成功に至っていない。一方、予め17員炭素外殻構造を構築したのち、渡環ディールス-アルダー反応にて一挙に4環性骨格を構築するルートについても検討している。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)