レドックス共役メタラサイクルの位置選択的合成と電子機能分子への変換
Project/Area Number |
13029027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西原 寛 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70156090)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | メタラサイクル / コバルト / ルテニウム / 幾何選択性 / π共役高分子 / 高分子錯体 / レドックス |
Research Abstract |
芳香性を有するπ共役メタラサイクルは、π共役導電性高分子などの電子機能物質のユニットとして注目される。完全に位置選択的なメタラサイクル形成反応の達成は、π共役長を制御する上で重要である。本研究では、ドナーおよびアクセプター分子を付加したアセチレン類からメタラサイクルを生成する反応を利用して、完全に位置選択的環形成を達成し、さらに高分子化によって、電子機能分子を合成することを目的とする。ここでは、コバルトとルテニウムを含むメタラサイクルに関し、以下の結果を得た。 1)コバルタシクロペンタジエンの位置選択的合成 種々のアセチレンの組合せを用いて、コバルタシクロペンタジエン環形成反応における位置選択性の立体効果と双極子効果との相乗作用による制御を検討した。その結果、アセチレン結合軸に対して垂直方向にかさ高い9-anthracenyl基を用いると、3,4-Ar_2のみを選択的に得ることができた。さらに、phenyl基よりも3次元的にかさ高い(2,3,5,6-tetramethyl)-1-phenyl基を用ることによって2,4-Ar_2のみが得られた。 2)ルテナシクロペンタトリエン形成反応機構の解明と高分子錯体合成 CpRuBr(cod)と2個のアセチレンによるルテナサイクル形成反応機構を調べたところ、2,5位に置換基がくる位置選択的な反応であること、生成したルテナシクロペンタトリエンと過剰なアセチレンとの2次反応が起ることがわかった。アセチレンが過剰にならない条件下では、ルテナサイクルが選択的に生成することから、溶解性を上げるためのヘキシルシクロペンタジエニル基を含む錯体とジアセチレンとの反応により、単一のルテナサイクル骨格をもつ高分子の合成に成功した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)