オルトキノンメチド型活性種を用いる縮合多環式複素環化合物の立体選択的合成
Project/Area Number |
13029036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
井上 誠一 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 教授 (90017939)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | ベンゾピラン / 縮合四環式化合物 / オルトキノンメチド / 分子内付加環化反応 / チオベンゾピラン / クロマン / サリチルアルデヒド |
Research Abstract |
縮合四環式化合物にはステロイドを代表として特異な生理活性を有するものが多数知られているが、炭素環を複素環とすることにより、活性の増強や活性の種類が変化する。しかしそのような縮合多環式複素環化合物の合成は容易ではない。本研究では、置換オルトキノンメチドを経由して三環式ピラノベンゾピラン化合物を得る反応を基軸として、含酸素系の縮合複素環化合物の新しい合成法を確立し、新しい有用化合物の創製の手法を提供することが目的である。 先ず基本反応としてo-プレニルフェノールとサリチルアルデヒドとの反応について検討した。この反応は室温ではo-プレニルフェノールの分子内環化のみが進行してクロマン化合物が生成した。しかし、80℃では目的の四環式化合物の生成とクロマンの生成が競合するが、前者の生成が優先することを明かにした。各々のベンゼン環上に置換基を有するサリチルアルデヒドとo-プレニルフェノール誘導体の反応性と置換基効果について検討した結果、サリチルアルデヒドの4位にメトキシ基を有する場合は特異的に反応性を低下させるが、4,5位にメチレンジオキシ基を有する場合を含めて、他の置換基、置換形式では収率の低下は見られなかった。 さらに含硫複素環化合物の合成を目的として、チオフェノール誘導体を用いたところ、環化反応が収率30%で進行し、骨格内にピラン環とチオピラン環を含む6,6-ジメチル-3-メトキシベンゾピラノ[3,2-c][1〕ベンゾチオピランが得られた。この結果はオルトキノンメチドのチオアナログが生成したことを実証するもので、非常に興味深いものである。 以上の結果は多種類の複素元素を含む縮合多環式化合物の更なる展開に繋がるものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)