Project/Area Number |
13029060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
奥 彬 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (50027885)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | オキソニウムイリド / ケトカルベノイド / 炭素結合形成反応 / 環状エーテル / 環状アセタール / 金属エノラート |
Research Abstract |
我々が世界に先駆けて開発したエーテル型環状イリド炭素上での炭素結合形成反応のプロトタイプを、環状エーテルおよび環状アセタールからの複数の酸素原子を含む多環式オキソニウムイリドの発生へと応用範囲を拡大し、合成的な反応設計を行って、多酸素原子を含む中・大員環化合物の合成研究を行った。具体的には次の研究を段階的かつ系統的に行って期待したとおりの成果を得た。1)環状アセタールを持つジアゾケトンの遷移金属触媒分解を行って、極短寿命の双環状オキソニウムイリドを発生させ、これを効率的に捕捉する試剤としてアルデヒドとルイス酸金属触媒との1:1錯化合物を用いると、短寿命イリドが効果的に金属エノラートとして捕捉されることを発見した。したがってこの手法を用いてアルドール型炭素結合形成が可能となり、一般に70-90%の収率で5員環アセタールからは8員環、6員環アセタールからは9員環へと環拡大した中・大員環ポリエーテル化合物が得られることが示された。2)環状アセタールとジアゾケトン基を結ぶ側鎖を長くして得られる双環状イリドは反応性が低下すると予想されたが、上記の活性化カルボニル錯体は該当するイリドを容易に捕捉して、環拡大した9員環ジェーテルのみが収率74%で得られた。3)芳香族アルデヒドのみならず脂肪族アルデヒドやケトン類もこの反応系で十分イリドを捕捉できることがわかってきた。このように、これまで不可能とされてきたエーテル型オキソニウムイリドのカルバニオン炭素上での炭素・炭素結合の形成反応が、一般的な合成反応として開発され、利用できる展望が開けてきた。
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