Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
|
Research Abstract |
イェッソトキシン類は,魚介類によって引き起こされる下痢性貝毒の原因物質であり,強力な毒性(マウス致死毒性,100μg/Kg)を有する。これらの分子が膜タンパクに特異的に結合して活性を発現すると推定されているが詳細については不明である。天然からのサンプル供給量が少ないので詳細な研究が滞っている現状にあり,化学合成によるサンプルの供給が切望されている。本研究は,分子レベルでの活性発現機構を解明に役立てることを目的に,ポリ環状エーテルである微量天然毒イェッソトキシンの全合成研究を行った。本年度は,オレフィンメタセシス反応を鍵反応とした多環状エーテルの短段階収束合成法の開発を検討し,鍵段階の前駆体合成に首尾良く成功した。今後鍵反応の検討を行う予定である。また本研究者は,イェッソトキシンに類似した分子量千をこえる複雑な巨大ポリエーテル分子であるシガトキシンCTX3Cの世界最初の全合成に成功した。この結果は米国の有名雑誌"サイエンス"(11月30日号)に掲載され,朝日新聞,毎日新聞をはじめ多くの全国紙でも報道された。また,アメリカ化学会の機関紙"Chemical&Engineering News"にも紹介され,"Chemistry Highlights 2001"で"2001年における有機化学の重大発展(4件)"の一つに選ばれた。この業績に対して,本研究者は2001年度有機合成化学奨励賞を与えられた。
|