競合する相互作用のもとでのエントロピー誘起による形態変化と応答機構の研究
Project/Area Number |
13031020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮下 精二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10143372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 宏 慶応義塾大学, 理工学部, 助教授 (90154806)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | エントロピー効果 / フラストレーション / 電解質ポリマー / トポロジー / リエントラント |
Research Abstract |
本研究では、DNAなど電解質ポリマーの形態に関するエントロピー効果について研究を進めた。電解質ポリマーは電荷反発によって直線的な構造をとろうとする相互作用が働くが、価数の高いイオンを注入することで逆に凝縮しようとする相互作用も働くことがわかっている。このような相互作用のもとで電解質ポリマーがどのような形態をとるかについてモンテカルロ法で調べた。特に、形態とモデルのパラメターの関係を統計的に調べるためには、多数のサンプルにおける形態を数量化する必要がある。我々はその手段として、ミンコフスキーの汎関数なる量を利用する方法を開発した。特に、この方法では系の局所的な情報の和としてトポロジカルな情報を得ることができ、形態のトポロジカルな分類には有力な方法である。さらに、系の形態におけるエントロピー効果を競合する相互作用をもつ弾性ポリマーを結合した簡単な系の温度変化を調べた。非常に高温では相互作用は無視でき、いわゆるガウス鎖状態となり、構成分子数をNとするとき、系の平均的な大きさは【square root】N程度になる。温度が下がってくると相互作用が有効になり、もしばねが縮もうとする相互作用がある場合には系の大きさは小さくなり最終的には1のオーダーになる。また逆にばねが伸びようとする相互作用がある場合には長さは最終的にNのオーダーになる。これらのばねをつないだ場合最終的には両者の力学的釣り合いの位置に落ち着くが、中間温度では関与する格子点の数に応じてエントロピー効果が異なり、非単調な温度変化が起こることを発見した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)