Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
酵母のVMA1遺伝子がコードするVMA1蛋白質からプロテインスプライシングで生ずるエンドヌクレアーゼVDEは,自らのVDE遺伝子を欠くVMA1ΔVDEを認識して切断し,VDE遺伝子を挿入する遺伝子ホーミングを引き起こす。本研究では,VDEが認識する長鎖の二本鎖DNAとVDEとの複合体のX線結晶構造解析を行い,DNAの認識とエンドヌクレアーゼによる切断反応の機構を明らかにし,遺伝子ホーミング現象の構造生物学的な理解を得ることを目的とした。 研究の2年度では,回折能が良好な,19塩基長と31塩基長のDNA鎖から成る二本鎖DNAとVDEの複合体の結晶について,シンクロトロン放射光を用いてX線回折強度データを収集し,複合体の全体構造を結晶学的な最小二乗法により精密化した。 結晶構造では,VDEと二本鎖DNAは各々1分子づつで複合体を形成していること,DNAは19塩基対長に渡って二本鎖を形成し,VDEのドメインIとドメインIIIの広い分子表面の領域で接触していることが判明した。DNA切断部位はVDEのドメインIにあり,このエンドヌクレアーゼ活性部位では,用いたDNAは一本鎖となっていること,さらに,酵素の活性部位はAspやLysなどの活性残基のセットが2組が対になっていることなど,二本鎖DNAの認識と切断に関する詳細な三次元構造知見を得ることができた。 VDEを生ずるプロテインスプライシング反応とエンドヌクレアーゼ活性の関係を調べるため,スプライシング反応の進行を遅くした変異体を種々発現させ,精製,結晶化し,そのうちの2種類の構造をX線解析により明らかにした。その結果,スプライシング反応の初期ステップ,反応とエンドヌクレアーゼ活性のサイトは異なる領域であることを明らかにできた。また,黄色ブドウ球菌カセットリコンビナーゼ2種の発現,精製と結晶化を研究では行った。
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